無声映画

 夢を見ていた

 そこは色のない世界

 そこは音のない世界


 ただ眩しくて

 人のカタチをした影が

 僕に向かって話しかけてくる


 背中に羽根を背負って

 まるでそれは光そのものみたいに

 だけどとても懐かしい風で


 顔は見えないけれど

 もしかしたらずっと昔に会っていたのか

 ゆらゆら揺れる姿 幻のよう


 何か大事な事

 今本当に必要な事

 きっと伝えようとしてくれている

 でもいつまでたっても声は届かない


 色のない世界

 音のない世界


 それは起きて見る夢

 霧の奥の幻の記憶


 その声は届かない

 その想いは伝わらない

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