第14話 だいがくびょういんへ
僕はテイキテキにびょういんに行くことになってた。
なぜかはわからなかったけど。
次に病院に行ったとき、パパが聞いたんだ。
「このシロップ飲ませると、腫れるらしいんです。」
あいかわらず、かんごしさんたちはにこにこして優しいんだけど、
僕、ここに乗せられて、せんせいにあちこち触られるのはスキジャナイかも。
びくびくしてたら、せんせいがひとこと言った。
「やっぱり一度大学病院に行って、
より詳しい検査をしたほうがいいんじゃないかな。
もしかしたら、悪い病気が隠れてるかもしれないから。
紹介状書くんで、ここに行ってみたら。」
せんせい、僕には難しすぎます。
ただ、それを聞いてたママとパパは、覚悟を決めたみたいだった。
「もしかすると、悪性腫瘍かもしれないから。」
アクセイシュヨウって、なんだろう・・・?
僕は、ダルイのを何とかしてほしいな。
そしたらまたセドとも追いかけっこができる。
いちにち寝てたって、ママもパパもなんにも言わないのに。
でも、ママもパパも、いつもとはちがう顔をして、言ったんだ。
「その大学病院紹介してください、お願いします。」
って。
僕ね、なんにもわかってなかったよ。
せんせいが言った言葉も。
「もし悪性腫瘍だったら、えらい金かかるよ、軽自動車一台買えるくらい。」
それを覚悟しといてね、って言いながら、せんせいは、
シンダンショっていうものを書いて、ママとパパに渡したんだ。
僕はここのびょういんしかしらない。
ほかにビョウインがあるってことも、このときぼんやりと、初めて知った。
そして、僕はダイガクビョウインっていうところに行くことになったんだ。
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