第10話 道
第10話 道
探偵団イーグルチーム
青木 成三
第10話 道
「さあ、とうとうやってきた、コロニー30年記念祭だ」
イーグルは言った。
西暦2005年おりからのアジア諸国の追い上げ、アフリカ諸国の日の出などなど低賃金労働者の生活にも明るい光がさしてきだした。
しかし、先進国もスペースシャトルなどの宇宙関係の工業会社が活況をていし始め、その格差は埋まらぬままであったが、世界同時好況へ突入した。
その後も宇宙開発熱はおさまらず、ロシアとEUとの平和気運も強まり、資金をえたロシアはスペースシャトルの再建造を開始し、それに刺激を受けたアメリカはついに、月面基地を建築する。
ITビジネスもこの頃、軌道に乗り始め、順調に、夢の世界への助走を始めた。
そしてついにこの頃、アメリカ、ロシア、EUなどによる。宇宙平和使用法案が通り。
地球連邦への動きが高まりだすのもこの頃である。当初は、国家連合について難色をしめす、国家も無くはなかったが夢の世界の到来(初めは実験的なものではあったが)にとって、とうとう国境無き地球の時代は到来した、さらに宇宙進出が開始され、フロンティアが本格的になって来た。さらにそれによる。
火星植民地化の問題も順調にクリアされ、大規模植民の時代が到来した。
さらに、この頃問題化されていた石油資源の枯渇の問題があり、水星、金星エネルギー計画が立案され、実行に移された。
そしてコロニーの30年祭が壮大に行われた。その時コロニー市長の演説が行われた。
「諸君、これから、少し話をしたいと思う聞いてくれ。コロニー開発から30年思えば苦労もありました、ここまでやってこれたこのは、皆様のおかげです。思えば21世紀に入り、未来を不安視された社会でありましたが、見事このような社会を作ることができました。まさに奇跡的と言ってもいいことでしょう。皆さんのご苦労、忍耐は称賛あたいするでしょう。これからの未来も努力と忍耐をおしまず、栄光の未来を作って行きましょう」
市長はそう言った。
パチパチと拍手かなり、乾杯の音頭があがった。
僕は思う20世紀の時代はまさに英雄の時代だった、しかし21世紀はコツコツと努力をするそんな人々の時代だった。そんな名も無き人達が作り上げた社会が、宇宙で地球で一応は花開いた時代であった。
例えば、国連を地球連邦に育てあげた。有名無名の人達、その運動を働きかけた人達。
その運動を支えたもっと無名の人達。
さらに、その計画に知恵、金、権力、等を集めたり、構想を実行に移した勇気ある決断、
夢に向かって大変な努力をした人、又は希望を育んだ人達。欲望を抑え夢にかけた人たくさんいる。そしてそのことに抵抗を持つ人達を説得した人達。そんな大きな力が働き実現した。
その時、大変な情報がもたらされた。前回のマフィアの残党がいて、ある重要施設に爆弾をしかけたと言うのだ。
「大変なことになった」
ロック保安官が青ざめた表情で事態を伝えた。
「前回のマフィアの残党が何か怪しい動きをしていたので捕まえた所、コロニー7に爆弾を仕掛けたと言って自殺したそうだ。皆総出で爆弾を探している君達も手伝ってくれないいか?」
「はい協力します。ロック保安官」
と言って僕達は流星号に乗って。コロニーセブンの外壁を探し回ったがない。さんざん外壁を探し回ったがない。
「これは外壁にはないぞ中だ」
僕は言った。
中でも大騒ぎになって皆探し回っていた。
爆弾らしき物は、ガス管や治安施設、またスペースポートを探し回ったがない。
「いったい重要施設てどれなんだ」
保安官が怒鳴り散らしていた。
「まったくたいしたヤツだ、ここまで保安官達をキリキリ舞いさせるとは」
尋問の最中に自殺されてしまった保安官は大変あせっていた。
「まったく奥歯に毒薬をしこむなんて!」
と言って出かけて行った。
僕達は、保安官詰所によって地図を広げた。
「大体このあたりは探したんだ」
と言って指をさした。スペースポート、スペースシップ製造所、市庁舎、各種ライフライン。と指を次々にさした、後は地下と言うことになる。
「これが地下のライフラインだ」
ロック保安官が地下のライフラインの地図を広げた。ガス貯蔵所、蓄電施設、各種ライフラインの中央に、水素貯蔵施設があった。
みんな一斉に言った。
「ここだ!」
ロック保安官と一緒に水素貯蔵施設へ地下の水道路を通って向かった。
「多分、ここだ」
と言って水素貯蔵所をさした。
そこは巨大な液体水素貯蔵施設だった。
「ここからは僕の出番だ」
と言ってカールが出てきて。
「赤外線スコープで見てみる」
と言って、罠を調べ始めた。
「あったぞ」
幾重にも張られた罠の真ん中に爆弾を見つけた。
「よし、解体に移るぞ」
と言ってカールは罠をかいくぐって、爆弾の所へたどり着いた。
「よーし、慎重にいくぞなんたってコロニー5万人の命がかかっているんだかららな」
と言って爆弾の解体をし始めた。
「あっしまったタイマーを作動させてしまった」
そう言って。ロック保安官に爆弾を投げた。
爆弾のタイマーはピッピッと言って動いている。
「皆、なんとかしなきゃ」
と言って。爆弾を抱えたまま宇宙港へ急いだ。ロック保安官は宇宙服に着替えると、流星号へ乗り込み、3人と共に発進した。宇宙船の道具箱から爆弾を宇宙へ向けて投げた瞬間!
「ドカーン!」
爆弾は爆発し、僕らは九死に一生を得た。
「皆ほんとによくやった」
ロック保安官は皆と握手をした。
その後お祭りもお流れとなり。また後でと言うこととなった。
僕は思う人の生き方も道ならば、この3人の生き方もまた道だろう。僕の生き方は名誉を求めてそれに向かっていく行き方で、カールの生き方は楽を求めてそれに向かっていく生き方だ、チェンの生き方は、精一杯後悔のないように生きていく生き方だ。
人の数だけ道はあると言う。そして賢者が良き道と教えた義。しかし賢者の義は、今は力を持っていない……。
連邦憲章の前文の最後。恒久の平和、平和の内に生存する権利、の二つを達成すると言う最新の義すら忘れられようとしている。
最新の道を行く者、すなわち研究者、学者、
政治家、作家達は少なくともこの義だけは忘れてほしくない物だと思う。
しかし、どこまで最新の義にそうているの
かを調べることは難しい。
これがいつの世も不満のタネとなってきている。
ルール無き所にルールを求める義と言うものがこの世を本当に幸せにした例はいまだない。
又、今それに闘う二人の会話がある。
「まったく復讐に爆弾を使うだなんて、この世になんの恨みがあるんだい!」
「まったくねこちらは、無報酬で精一杯やっているのに」
とカールは言った。
「まったくこんな道に外れたやつは初めてみるね」
完
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