第6話 神と哲学
探偵団イーグル・チーム
青木 成三
第6話 神と哲学
ニーチェは言った『神は死んだ』と、でも神は本当に死んでしまってしまったのだろうか?そうしたら何故“運”などというものを信じるのだろうか、おかしな話だと僕は思う、
人は抑制されることをきらう、まあ当然として、こうゆう風に生きたら問題が解決したり、いい人生が送れるのはないの?と言われたらしてみようかなと思うのが人間の心と言うものだろう、もし人生の生き方に困って苦しんでいる人がいたなら、そうゆう弱い人には宗教は助けとなるだろう、でもニーチェは言う人間は神様まかせする時は終わったと、しかし不幸にあっている人にとって神様はいらないのだろうか、それこそ経典などを読んで少しでも救いを求めるのはもうなんにも意味のないことではないわけではないだろう。
仏教や神道それに儒教などの本を読むのは元気や救いを求める人にとって何の意味がないものとは少し違うと思う。現代の人は科学の発達によって豊かになった、言葉を換えて言うなら物に不自由しなくなった。だけどお坊さんはそうゆう物質的には豊かになった人を相手に活動している。しかし心が病んでいる人はお医者さんに行くことになってしまった、そこらあたりが変わってしまった。
また哲学も行き詰ってしまっている、デカルトがいった、信じることができるものは、自分の思いだけという哲学は強力で懐疑的な考え方がしっかり浸透してしまった。でも“我思うゆえに我あり”ということは僕達にとってみんながそう思うものであり、僕もそう思うよと言う人達全員にあてはまってしまうじゃないだろうか、他人の思っている声は聞こえないから、信じられるという風にはいかないのだけれど、他人に“あなたも思っている疑えない自分があるのですね”と言えてしまうので結局自分以外の他の人にも疑えない物があるのだろうな、と推測できてしまう。なんかややこしい話である。すると絶対疑えない物は自分だけというものが多分人類の大半だと思うので、世の中人間の数だけ疑えないものがあるのかなあと漠然と思ってしまう、
しかし現代の社会はこの自我が一杯だと思うと正直政治家は大変だと思ってしまう。
このほとんどの人が主観的に物事を考えているこの世界、哲学は基本的人権の尊重、自由、平等、博愛などという精神に形を変え、生き残った。一方宗教の方も弱い立場の人を中心に根強い人気がある、東洋風の修行をする人や西洋風の信心を中心とする宗教の形も生き残っている。最大の難問は生きる意味だ、
宗教はそのことについてかなり詳しく説明してくれる。哲学にも限界がある、いくら平等平等と叫んでもそれは機会の平等だけで結果の平等ではないからだ、いやそれすら平等ではないというのも事実だろう貧乏に生まれればそれすらない。人は自分勝手だ自分のことしか考えてない、それを権力でコントロールしようとする政治家、人は余裕のある時は美しいことも言ってるが、一枚皮をひきはがし本音を引っ張りだせば自分の欲ばかりだ。自分の都合のいいことしか考えてない、だからこそ聖人は4人しかいないんだろう。
と難しい話は別にして三人はいつもの通りロック保安官と会って話していた。
「今日は三人に頼みごとがあるんだ、ちょっと仲直りさせる話なんだ。」
とロック保安官は大きな体を折り曲げるようにしていった。
ちなみに三人の宗教はチェンが儒教、イーグルが仏教、カールがキリスト教である。
「あーあなにかな、今度の仕事は。」
とカールは言った。
「きっと、また重大なことに違いない。」
と僕は言った。
「まあまあ、そんな力まないで、簡単な事件なのだから。」
とロック保安官は言った。
そしてある住居ブロックに入っていった。そこで三人の男が口論していた、ざっとこんな具合に、
「イエスの教えは完璧だ、なぜ信仰する心が出てこないかわからん。」
また別の人が、
「ブッダの教えの奥の深さは素晴らしいぞ、なぜ信仰する心が芽ばえないのかな。」
また別の人は、
「孔子先生の言葉が書かれた論語は、人生の真理を書いている、馬鹿にするやつがいるのがとても信じられん。」
それを聞いていた三人は、とうとう笑い出してしまった。
僕はロック保安官に聞いた。
「事件てこれですか?」
「そういう事だ。」
そしてロック保安官は苦笑いをしながら言った。
「宇宙植民地法54条信教の自由に違反しているぞ!」
しぶしぶと三人はののしり合いながら別れて行った。
「いやー昔からあの三人は仲が悪くてね、宗教のことをいつも引っ張りだしてくるんだよ。」
とロック保安官は言った。
「哲学的なことしか習わなかった、学校生活ではなかったんだろうが、大人になるとよくある問題でね。」
と言って、話を終わらした。
宗教対立か、と僕は思った今では、おとなしくなったものの原理主義運動てやつが大変な対立を起こしてしまったことがあることを知っている。地球の過去の事では十字軍や三十年戦争が有名な事件だ。そしてこれからも問題となるだろう。
カールとチェンが又おしゃべりを始めた。
「いやーロック保安官の手際はいつも、素晴らしいな。」
そしてロック保安官はこう言った。
「君たちにも自分の宗教を守るのは自由だ、でも他人に押し付けるのはいけないってこと を、そして宗教とは何かてっことを考えてもらうために呼んだんだ。」
「はい」
と三人は帰途についた。又三人はおしゃべりを開始した。
「神様の言ったことを重要してる人もいるんだね~。そうゆう僕も論語ぐらい読んだことがあるんだけどさあ。」
「おい、おい。」
カールと僕とは、同時に返事をした
「神様を尊敬してないのかチェンは。」
と僕は言った。
「別に。」
とチェンは言った。
「それはそれは無神論者みたいなことを言うな。」
とカールは言った。
「でも僕達には関係ないよー。」
とチェンは言った。
「でも神様を尊敬しないなんて僕には、信じられないな。」
と僕は言った。
「でもなんであの人たちは、けんかをしてて僕達はけんかしてないんだろう。」
とチェンは言った。
「また、そんなことも知らないのかこの頭でっかちが。」
とカールが言った。
「人情と信念てやつだよ。」
と僕は言った。
「人情と信念て?」
チェンは答えた。
「うーん難しく言うとね。信念というものはよき生き方の理論、人情というのは愛とか友情とかいうものだよ。」
と僕は言った。
「すると義理ってやつは法律で、人情というのが大切なもの?」
「まあ、そう考えてもいいよ。」
と僕は言った。
「じゃあ人情というものを大切にしてればいいの?」
又チェンは言った。
「おい、おい。キリスト教徒でも知ってるぜ、儒教の理論は仁・義・礼・智だろ。」
とカールは言った。
「あっそうだった、忘れてた。」
とチェンは言った。
「まあ宗教は自由だからね。」
と僕は言った。
「そこんとこ忘れちゃダメダメ。」
とカールは言った。
「そうだよね、でもこれからも仲良くやろうね。」
チェンは笑ってそう答えた。
第六話 完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます