第7話 機械 

   イーグル・チーム探偵団


                                 青木 成三  

 

第7話 機械

 コロニーフォーこのコロニーは機械に最大限すべてをまかしたコロニーである、生産、流通、分配、をまかしたコロニーである。

 町中機械があふれている世界、僕はそれを一種異様な世界だと思った。

 僕はパンチプレスで体を動かしながら、いろんな練習をしていた。家へ帰り母が作った夕食を食べた。午前0時まで家族とテレビの相手をしながら、朝7時が起床でまた予備校にも通っている。こんな平凡な一日が僕の一日だ、誰もが毎日平和な一日を過ごす、これがコロニーの基本形である。でもおりしも市長がかわるとゆうことがコロニーフォーにおこった、そこで僕達にコロニーフォーを巡回してくれないか、という命令が下った。

 そこで流星号で僕達はコロニーフォーに向かった。すべてを機械にまかした世界、そのコロニーはどんなコロニーだろうとしゃべって、ほどなくそのコロニーについた。

 人の姿が見えないそのコロニーで人を1人つかまえた。

「なにをしているのですか」

「私は究極の人工腕を作るのが副業でな」

「忙しいんだよ」

 そういって去って行ってしまった。

 21世紀にたしかに人工臓器の開発は進んだ、しかしこのことについて人類レベルの会議があり、人間を超える人工頭脳の開発は国際連合の許可を取ることが必要だ。

 たしか前市長は、人工頭脳の開発を黙認して問題になったはずだ。

「ふぁ~」

 カールが静かなコロニーについにあくびがでてしまった。

「いったい何がおこなわれているんだろうね」

 とチェンが言った。

 ひたすら工場のような家が並んでいるコロニーだった。無機質な人々の家がなんだか不気味だった。

 情報を得るのは市長さんに会うのが一番早いことの様に思えた。

「やあ、イーグル・チームの方々じぁないのかな」

「はい」

「何の用かな」

「いろいろなことでコロニーフォーに来たのですが」

 そこでかくかくじかじかと話を始めた。

「怪しいのはAの3のブロック辺りだ」

 そこでそのブロックに出かけた。

「なんもないようだがな」

 とチェンは言った。

「よし下水道のブロックに入ってみよう!」

「おいおいねずみのまねをするのかよ」

「もちろん」

「どうなるのかなぁ」

「さあさあ。入った入った」

 と僕は入っていった。

 下水溝を降りると汚水が流れていた。ちなみにいうとスペースコロニーワンは研究、以下スペースコロニーツーから研究よりは造船のほうが優先されるようである。

 ロボットが軍事利用されてから20年がたつ、無敵の装甲を持つロボット戦車、ロボットヘリ、ロボット飛行機・・・。宇宙では行われていないが地球では各国列強がしのぎを削っている。今は電波誘導だが、将来は自分の意思を持ったロボットが人間を殺す時代がやってくるだろう。暗い話だがいつの日か放射能や電磁波に耐える装甲を持った兵団ができる日がってくるだろう、そうなったら政治家たちは何を考えるのだろう。が宇宙ではそんなこととは関係なく掃除ロボットや看護ロボットが活躍している。それが今の現状だ。

「さあ、入った、入った」

 とカールが言った。

 そこはある地下室だった。

「さーあてと。」

 とカールが言って鍵を開け始めた。

 そこは旧式のロボットが置いてあった。

「みんなボロだな。」

 僕らはそこらへんを探し回ったが問題がありそうなロボットはなかった。

 ライトを照らしながらゆっくりとと歩いていった。そこにいろいろな書類があった。

「おい、これなんかどうだい。」

 とカールは言って、チェンに書類を渡した。

「ロボットと意思について」と書かれた、

論文が書かれてあった。

「別に問題ないよ」

 と言ってカールへ書類を投げた。

 少しずつ進んでいくと一体の完璧に作られたロボットが見つかった。

「これなんかあやしいぜ」と僕がさわったとたんロボットが動き出した。

 僕が得意の体当たりを当てたがビクともしない。

「くそ!イーグルどけ!」

 と言ってショックボムを投げたがロボットはビクともしない。逆に踏みつけられそうになったので、逃げようとしたが、ころんでしまった、そこに上から踏みつけられそうになった、その瞬間。

「ウイイイン」

 と言ってロボットは、動作が止まった。

「命拾いをしたな」

 と言ってロボットをさわった。

「これは凄い自分の意思で少しの間動けるロボットだぞ!」

 と言ってカールは驚きの声をあげた。

「ここまで戦闘用に作られたロボットはないな」

とカールはふむふむといった顔で言った。

僕はこう思った。ここにいた科学者のゆくえを突き止めなくては、こんなことを考える科学者をほったらかしにしておくわけにはいかない。もっと長い時間意思を持って動くロボットが戦闘に使われたらどうなるか、背筋がぞっとするのを覚えた。正義のためのロボットならいいがと不安になった。

市長さんやロック保安官が必死になって、

ゆくえを探した結果、北米連合の1研究所で働いていることが突き止められた。

 国際連合の緊急理事会が会議を始め、早々にマスコミがこれを取り上げ、北米連合はしぶしぶ研究の停止を発表し、国連による査察を受け入れた。

 ロボットは僕の知る限り、正義のために使われている。人を殺すためのロボット兵器の研究なんて絶対許せないことだ。

 また今回も大きな事件だった、解決したのを見て、ほっと胸をなでおろした。

 また二人の話が始まった。

「結局、正義は勝だね」

とチェンは言った。

「そうとも言い切れないぞ。第二第三の科学者が密かに研究をしているかもしれないよ。」

 とカールは言った。

「昔、ロボットは人を殺してはいけないと言った人がいたじゃないか」

 とチェンは言った。

「まったくだ正義のためなんかを言ってロボット飛行機みたいなものを作ってる連合の考えていることはわからないね」

 とカールが言った。

「それでも人間が勝った映画があったじゃないか……」

 チェンが言った。

「正義の味方みたいなロボットが早く作られるといいなぁ」

 チェンがつぶやいた。

「まぁぼやくなよ兵器のお化けみたいなロボットばかりじゃないんだから」

「そうだなロボットが早く正義の味方のようなロボットになることを祈ろう」

と僕も、チェンも、カールも、その言葉にゆっくりとうなづいて家の帰途についた。

                完    

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