第10話 最初の1台の思い出
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先日、とある方がよく聞く音楽のリストをツイートされていました。
そのなかで徳永英明さんの『壊れかけのRADIO』があって、「あ~、そういえば兄がよく聞いていたな」と思い出しました。
徳永さんの美しい声で歌われる。またその歌詞に哀愁をひしひしと感じました。
(ちなみに私のIpodにも入ってます)
最初の1台の黒いラジオ。
中学生や高校、大学と青春を音楽とともに過ごしてきた。大切な思い出のラジオを歌った言葉たち。
私の勝手な想像ですが、
ウォークマンが登場して音楽をテープで持ち歩くようになった頃の物語だと思っています。
◇
最初の1台。
そう呼べる物がみなさんにはありますか?
私にとっての最初の1台はフィルムカメラのEOS kissです。
高校生の頃にお小遣いを貯めて買った最初の1台。
フィルムを入れてシャッターを切り、仕上がりをドキドキしながら待っていて……。
現像された写真を見て喜んだり凹んだり。
あれから社会人になって給料を貯めて、ようやく5Dを購入して、中古市場をチェックしながらレンズをそろえ。
気がついたらレンズ沼に浸かっているという(笑)。
カメラの機材は買ったり手放したりもしましたが、最初のkissだけはいまだに保管庫の奥に大切にしまっています。
どうしても手放せなかったんですよね。思い出をなくしてしまいそうで。
物には思い出がやどる。それも最初の1品には特別な思い出が込められている。そう思います。
◇
世阿弥の言葉に「初心忘れるべからず」という有名な言葉があります。
最初の頃の気持ちを忘れてはいけない。
そういう意味ですが、この言葉には続きがあって、
世阿弥は、
「時々の初心」
「老後の初心」
も忘れてはいけないと述べています。
修練を積んで、できるようになった技。
積んできた経験。
その時々の「初心」。
いろいろな解釈があるでしょうが、私は生き生きと学びつづけることだと思っています。
技でも仕事でも、慣れてくると新鮮さが失われてしまう。
洗練されるのとはちがって、自分ではそう思ってしまう。
そういう時はありませんか?
時には悩んで立ち止まる時もある。
少し道を戻って考え直す時もある。
それでも前へ前へとめざしている。
その姿に生きるという輝きがある。
そのヒントが「初心」に秘められているのではないでしょうか。
◇
カクヨムも1周年。
さあ、今日もまた少しでも書こう!
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