何とも古式めかしい文体で描かれた、不思議な小説です。愛に溢れていますが何処か哀しく。奥ゆかしく細部をぼやかした水墨画のような風情のある二人のやり取りは、心で互いを繋ぐよう。その絆の意味は、物語の中盤で明らかになります。そして、最後………その【アイ】に心を揺らされるでしょう。