第4話

それから、果てしなく携帯のバイブ音は鳴りやむことなく豚からのもので溢れいた。

綾斗の話を持ちかけると、必ずそこで止まり返事は返ってこなかった、ここまできて綾斗にバレていないか今はそれだけが心配であった。なるべく返せるものには返しているがこいつは自分のしている事を理解しているのだろうか。

もしこの事がバレてしまったら今までのこの茶番が無駄になる。

あともう少しで全てが整うのだか、この雌豚は隠す気がないのか、ここまでされると変に心配をしてしまう……最後に残っていたメールに目を通すとそこには「また会いたい」と残させれいた。

どの面下げてこんな事を言っているのかやはりこいつは、一刻も早く消し去らなければいけないと思った。

俺は、一旦携帯を机に置きPCを起動させあるサイトを開いたそこを見るとやっとサイトから反応があった。

「遅いんだよ……」

俺は、その返事を返してからサイトをログアウトをしそれから、次の日の朝に携帯に残っていた内容から今日の夕方に会えないだろうかと送り返事を待った。

中々返信は来ず、今日は無理かせっかく用意した計画が無駄になる所だと思ったその時携帯に一件の返信がきた。

すぐさま携帯を開くと女から今から行くとやっと食いついてきた、その内容に一安心した一応もしもの事も視野にいれていたがそれはしなくて済むようだ、これでわざわざ自分の手を汚さずに済むのだから……

俺は、その返事に待ち合わせの時刻と場所を指定しそこへ向う、少し離れた公園の前で様子を伺うともう一人はまだ来ていないようだ。そのまま公園内を見渡し待っていると女がようやくきた。

「ごめんね、待ったでしょ。」

「いやそんなことないよ、それより……」

それより綾斗にバレていないか心配していると女は俺を見てくすりと笑い心配性すぎると言われた、それと携帯の履歴も削除しているか確認すると、それも問題ないと言って自ら携帯を見せてきた、念のため綾斗に中身を見られたらこの関係がバレてしまいお互い傷つきたくないだろと女に持ちかけるとそこは素直に言うことを聞いていたらしい、扱いやすく単純でよかったが何処か慣れているような感じがしあまり深くは考えたくない。

女を抱き寄せ頭を撫でながら、これで会う事もやっと終わるのだから、最後にあることを女に聞いた。

それは、本当に綾斗の事をなんとも思っていないのかこんな事をしていて辛くないのか最後に一つだけ聞きたかった……

そう訪ねると、女は不思議そうな顔をしてから綾斗が本命ではないとただの面白半分でやったことだと言いだし、まさか相手が本気にするなんて思ってもいなかったと、俺に向かって今本当に好きなのは俺だと幸せそうに告げた。

人気のない公園を茜色の光が辺りを染め女の表情を明るく照らしたそして赤から夜へと変わる瞬間の暗く落ちていく頃黒塗りの車が目に入りそこから複数人出てきたその瞬間俺は、女を突き放した。

俺は、女を無視し後ろに現れた男たちと話をし出すと女は俺の背にしがみつき怯えた様子で俺を見つめた、その行動に鳥肌がたち舌打ちをして男たちと話を進めた。

話を終え、何も知らない女は動揺を隠し切れず俺の腕を掴み何度も何度も繰り返し訪ねた、でも今までしてきたお芝居や女と会話するのもそろそろ疲れ無視をし続けると背後にいた男たちが女を俺から引き剥がし、共に車へと向かった。

その時、女は必死に俺の名を叫び震え泣き出しそうな表情で手を伸ばし俺に触れた瞬間、俺は女の手を叩き女の驚きを隠せず小さくどうしてと聞いてきた時、清々しく心のそこからの笑顔で女に告げる。

「今までお疲れ様、

俺から綾斗を奪った罰だよ……」



バイバイ……



女は目を丸くし男たちはその様子を見て声を出し笑っていた、そのうちの誰かが独り言かはたまた俺自身に言ったのかわからないが「怖い男だ」と言い残し女を車に押し込んだ、女はこれから出会い系サイトで繋がった男たちに連れていかれそこで強姦され不幸的な誰から見ても自業自得のような死を遂げてもらう予定だ。

やっと整った計画、決して無駄にならないよう説得しそして代金は全て女の体で支払うというだから煮るなり焼くなり好きにしろということだ。

きっと二度とここに戻ってこれぬだろう。

ここまで人の事を嘲笑い弄んだのだから当然の代価だ、笑いが止まらなく少し鼻唄を交えながら家へと戻る。

その日から俺は、もうすぐ終わる夏の日を心待ちしながら過ごした。

女は今頃どんな風に過ごしているか、俺や綾斗に関わった事をどんな風に思っているかそれを考えるたびに未だに笑いが止まらなかった。

……

長い夏の休みも終わりまた学校が始まった。

普通なら眠くまだ休みの感覚が抜けきっておらず歩いていてもふらついているはずだが朝のニュースを見ていた俺は、眠気も疲れもなくとても気分がよかった。

学校の門に近づくにつれ生徒たちが話している噂が聞こえてきた、よく見るとマスコミらしきものも混じってきた、それは大体あの女についての事だった。

辺りの生徒たちは援助交際だとかなんとか好き勝手に妄想を膨らませ話を盛大にし登校初日からその話で持ちきりであった。

自分の教室に入ってから、友人の一人に話かけられ深刻そうな顔から話を聞くと、あの女の名をいいそれが本当に綾斗の彼女だったのかを聞いてきた、幼馴染みである俺なら何か知っているかと思ったのだろう、俺は考えこみ何故と聞き返しながら女と綾斗の関係を話した。

「お前知らないのか?あいつの彼女この前死体で見つかったってニュースでやってただろ?」

友人にそれについての話を聞きながら綾斗の事が急に心配なったと言って、綾斗の教室へ向かうがそこには綾斗の姿はなかった。

さすがにここまで騒がれていて学校になんか来れるわけないかと隣にいた友人が口し、その日の学校は元々午前中終わりであったが一時間ほどしてから放送で早めに帰宅するよう余儀なくされとりあえず俺たちは、学校を後にした、帰り道の違う友人は俺と一緒に綾斗の様子を見に行くと言ってついてきた。

本当は一人がよかったが致し方がない、二人で綾斗の家で見舞いに伺うと出てきたのは、綾斗の母であった俺を見ておばさんは綾斗をどうにか励ましてほしいと頼まれ辛そうな表情で俺に訴えかけ話を聞くとあれから綾斗は自分の部屋から出て来ず自分の責任だと思いつめているようだ、綾斗の部屋に向かうがその日綾斗は俺たちを部屋にいれることはなかった。

日がくれ今日は、友人と仕方なく大人しく帰った、次の日は休日で俺は、また綾斗の家へと向かい部屋の前に立ち尽くしなんとか部屋に入れるよう交渉をすると扉がやや開いていることに気づく、ドアのぶを掴み入ると口にしてから部屋に入ると、目の辺りは赤く腫れ酷いクマがあり毛布を被りしゃがみこむ綾斗姿がそこにいた。

俺が話しかけると、綾斗は顔をあげ泣き出した。どうしようもないショックや不安と恐怖で自分のせいだと自身をせめ随分と重症な状態だった。

それほどまでに綾斗はあの女を想っていたのだろう、座り込み綾斗の頭を撫でて不安な心を取り除くように話を聞き時々励ましの言葉をかけながら気が済んだのかやがて綾斗は寝てしまった。


綾斗……ごめんな……

もっと早くあの女から綾斗を引き剥がしていればきっとこんな辛い目にはならなかったろうに……

綾斗は、何も悪くない何も

全てあの女がまいた種なのだから、綾斗がこんな思い詰める必要はない。


俺は、綾斗のためならなんだってする、綾斗に近づく女は全員この手で消し去る。

だから、安心して今は寝てて欲しい……

ずっとそばにいれば綾斗を守っていられる、嗚呼、可愛い俺の綾斗……

黄みは、ずっと俺のものだよ。

何も心配なんて要らないさ……


俺と二人なら絶対大丈夫だよ……


子供のように眠る綾斗の抱きしめ寝ているうちに額にキスをした。

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