第2話 やはり、異世界…

途方にくれていた私に、男性は心配して声を掛けてくれた。

「君は、何処から来たんだい⁉︎」

私は正直に、日本から鏡に吸い込まれ、この町に来た事を男性に話しました。

すると男性は驚いた顔をしていたが、十数年に一人の割合で、人が現れる事があるらしいと私に話した。

「そんな事って… あるはず… あるんだ…」

どうしたら、元の世界に帰れるのかを聞いたが、帰る方法は無いらしい。

私は、この世界で生きて行かなくちゃならないんだ…

そう思ったら、泣けてきた。

男性は、心配そうに私を見つめ、話しかけてきた。

男性は、クヒルと名のり、私に住む場所と働き場所を紹介してくれると言った。

私は、一瞬だけ迷ったが、この世界に知り合いがいないので、藁をも掴む思いで、クヒルさんにお願いした。

そこで私は、クヒルさんに名前を告げていない事に気付き、相川 由里奈です。と、挨拶をした。

「ユリナ… いい名前だ」と、笑い。

この世界の服をプレゼントするよと言われた。

私は、大丈夫ですと断わりましたが、この服じゃ暮らせないよとクヒルさんが、チラッと周りを見て言うので、不思議に思った。

すれ違う人達が、驚いた顔をして、こちらを見ていた事に気付いた。

どうやら制服姿は 目立つらしい。

クヒルさんの好意に甘えて、洋服を買ってもらい、着替える事にした。

ワンピースというよりは… ドレスに近いかも…

わあ… 動きずらい…

着替えが終わった私を見て、クヒルさんは似合うよと、優しい笑みをくれた。

クヒルさんの笑顔に一瞬、息が止まりそうだった。

まるで皇子様のような… イヤイヤまさかね…

クヒルさんは、仕事場に案内すると言って、大きな城に私を連れて来た。

そして、裏門の人に声を掛け、私を案内する様に話しをしたらしい。

クヒルさんは、誰にも異世界から来た事を言っては行けないよ。もし、聞かれたなら、オトムからやってきたと、話すように言い。

わからない事は、中の者が教えてくれると言って、自分は、まだ用事があるから、またあとでと言い… 行ってしまった。

私は、門番の人が連れてきた女性に話し掛けられた。

彼女は、マリーと名のった。

そして、私の勤め先は、王宮の中の後宮に配属された。

私は、マリーさんに、何もできないんです。と、話した。

すると、マリーさんは「大丈夫よ やり方はちゃんと教えるわ」と、言った。

先ずは、部屋に案内してくれた。

部屋は広く、ベットに鏡台とテーブルにソファーが置いてあった。

この部屋の物は自由に使っていいと言ってくれた。

私は驚き、そして感謝した。

次は、職場に連れて来られた。

私の仕事は女官で、目上の人にお茶を出したりするお世話係りだ。

お世話係りと言っても、私はこの世界の事を知らない。

だから、最初は見習いとして、先輩達に教えをこうのだ。

この世界の礼儀作法は難しく、ルーズな生活をしてきた私にはかなりキツイものだった。

先輩方は厳しいが、とても親切で安心した。

そういえば、クヒルさんとはもう会えないのだろうか…

どうしたんだろう… 彼の事を考えると胸がドキドキする…

きっと、助けてくれた人だからかも…

私は、一人で納得した。

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