砂漠と荒野と赤土と。
@echarine_maromierie
第1話 RVパーク 6月14日の日誌
6月14日朝の5時半に記録
聞いた事のない鳥や動物の声がする。
町の中のはずなのに、周りは自然がいっぱいなのか?
夕べはここ、フラッグスタッフのKOAに到着し、眠くてしかたなくて、すぐ寝てしまった。
時差ボケってやつ。
RVキャンプ場といっても、モーテルと同じ。車の置き場所を聞いてそこに停めてってことになる。
受付というか、事務所というか、ちょっとした売店があって、氷が売ってて。表にでっかくICEって書いた冷凍庫が置いてある……そんな感じの小屋の前に車を止めて中に入っていく。
空いてる? って聞くと、大抵空いてるって言ってくれる。
クリスマスだの独立記念日だのでないかぎり、大丈夫。
いろんなRVパークがあるから、受付も色々な人が居そうなもんだけど、そこに座ってる多くの人はいい年のおばさん。まぁ、たまにおじさん。カウンターの横にでっかいレトリバーなんかが座って居て、人なつこく尻尾を振ってくれてたりする。
んで、受付で今晩かい?って聞かれ、じゃぁってことで。(まぁ、電気の容量と、留める場所がバックしなくていいとかそんな条件を聞かれるわけだけど)
アメリカ人みたいにバックが苦手なわけじゃないし、電気も大して使わない。フルフックアップ(全部ありってくらいの意味ね)でネットやケーブルテレビも繋げられる(車の中で観るのだ)けど、まぁ全部コミだから、一部だけいらねーってわけにもいかない。
決済するのにクレジットカードを切って、車を留め置く指定の場所の紙をもらう。
貰ったこの紙って、トイレだシャワーだジャグジーだランドリーだのの位置が、どこに在るのかっていうのを書いてあるのと、車を留めるのに借りた場所が書いてあるA3くらいの紙。A列の6番だよって口頭で言うだけでなく、メモにA6って書くだけでなく、シツコイくらいここだよって、黒々としたペンででっかく印を付けてくれる。
よく映画の中で見かける、「人の言うことなんて、てんで聞いてないアメリカ人」を相手に手間を掛けないで教えるっていうのは、こゆことなのね。
他にも近所のメシ屋のチラシなんかももらって、その紙持ってよっこらしょと車に乗り込んだら
エンジン付きのゴルフカートに乗ったおじさんが、車の前で待っててくれてる。置き場所まで案内してくれるのだ。
なかなか親切。というか、こういう親切は自然発生的に彼らの内側から湧いて出てくるんだと思う。ほっとくといろいろあるからね。
車を置き場所に停めたら電気と上下水道を車につなぐことになる。
借りた車にゃケーブルテレビがないから、ちょっと残念。
何もない地面にパーキングメータを1/3くらいにしたポールが立ってて、そこから電気を取る。上水道はその隣。
何度もyoutubeで見てシミュレーションしたけれど、実体験はこれが初めて。
これでいいのか?これでいいのだ…と、雨森雅司のモノマネをしながら
根拠なく納得する。
しか~し、最後に繋げようとしたら、レンタカーに付属の下水のダクトが短いのだ。途中でちょん切れている。丸いCDくらいの大きさの穴が地面に空いてて、そこに食べたモノが最後に行き着くんだが……。そこまで届かない。
ええ〜 レンタカー屋さんいい加減だよ。貸し出すときにちゃんと見てない。困ったもんだ。
ホースは蛇腹になっているから、いっぱい伸ばして手で押さえていたらなんとか届くけれど
それじゃ、また元の形に戻ろうとするんで、突っ込んだまま放置できないから、使い物にならない。
仕方ないから、車を下水の近くに寄せ直す。ほんのちょっとでもね。
寄せて、下水口の蓋(セメントで出来たフタ)でホースを抑えておくと、なんとかなった。
こりゃ、すぐにでも買わなきゃならんなぁ。
受付のあった事務所の売店にあとで行ってみよ。
ビデオで見たように、こっちが生活排水で、こっちがトイレでとビデオでやってる通りのことをやってみた。
ちゃんと繋いだかどうかなんて、やってみたことないんだから、わかるわけないよ。それで排出バルブを動かしたものだから、今日一日、車の中で放出されて溜まっていた、自分と同行のハイネスの高貴なものを、手に少しだけ拝領してしまった。
うーん、手を洗えば良いってもんだけど、気持ちの問題、ちょっとネ。
さてさて、電気や水とを車にドッキングさせ終わって車内に入ってどっこらしょと座ったら、なにもする気が起きない。
完全にグロッキー。
それでも今日のうちにすることは、今日のうちに済ませなきゃならない。
食べて飲んで出して寝る。これ生きていくには必要。
食べる方は、少し手前のスーパーで仕込んだサラダにシリアル、松の実やらの混合餌(鳥も元気になるんだから人はもっとだろう)。こっそり買ったダイヤモンドアーモンド。
飲む物は、水にビールに牛乳。水はペットボトル。
喉が渇いていたのか、牛乳はいつのまにか半分になってしまった。
安全道ってスーパーで売っていた一番小さい紙パックで、ハーフガロン(1.9リットルね)
なのだがちょっと飲み過ぎた。飲み過ぎると、入った先が効果覿面
ちゃんとグルグル言い出すからわかりやすい。
食器を出して使う前に洗って、使ったら洗ってと、上げ膳据え膳でないところが
こういう旅の醍醐味なんだろうけれど、疲れきってる今は、これがキツい。
さっさと給餌して、寝てしまおう。
ってことで、寝てしまったのさ。
朝になって明るくて目が覚めて、これを書いてる。
砂漠と荒野と赤土と。 @echarine_maromierie
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。砂漠と荒野と赤土と。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
のんびり古都散策/永嶋良一
★75 エッセイ・ノンフィクション 連載中 30話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます