第2話
次の日の朝、僕の家に数人の警察が来たことを憶えている。1階建ての一軒家の前に、5人ほどの警察官が集まった。
そして、“平田正紀が自室で殺されていた"、ということと、その容疑者として“僕"が挙がった、ということを告げられた。話によると被害者の部屋に落ちていた毛髪が僕の"DNA"と一致したものがあったという理由だそうだ。
しかしおかしい。
僕は殺していない。
僕は正則と駅で別れたあと、すぐに電車に乗って家に帰り、リビングでテレビを見た。死亡推定時刻は、ちょうど僕が家に帰ってきた時刻と一致していた。つまり僕には“アリバイ”があったのだ。
何より、僕が彼を殺す理由がまったくない。
黙り込んでいる僕に対し、警察は執拗に任意同行を求めてきた。
そのときの僕には、どうすることもできなかったのだ。
僕は警察に捕まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます