第七話

『ピロリ♪……ピロリ♪』

僕が寝ているベッドの隣、ディスクの上で、突然着信音が鳴った。

僕は「よいしょ」と同時に体を起こし、寒くて出たくない布団を体に巻き付けながらたった。

パソコンを開くと、一通のメールが届いていた。

開いてみると、そこには意外な件名が出てきた。



送信者:Elza《エルザ》


件名:貴方はこの世界が一週間以内にどうなるかご存じですね?



いたずらメールか……?いや、違う。だって僕はこの地球がどうなるかを知っているから。そして、このElzaという、強力な存在も。


Elzaと言うのは簡単に言えば未来人。いつか植物そのものの存在が消え、機械のみになるこの地球に住んでいる。植物がなくなって酸素がなくなる代わりに、人類は神とも呼ばれるElzaが産み出す、赤苗という物質を吸って生きて、吐いた二酸化炭素をElzaが吸収する仕組みになっていた。そんな未来の神らしき存在が過去の日本になんの用があるのだろう。



一通り頭のなかで整理すると、僕はそのメールを思いきって開いた。部屋のなかに二回、マウスの音が聞こえた。


本文:貴方の考えた銀行強盗計画は実に美しいですね。ですがそんなことをしても未来は変わりませんよ。



未来は変わらない……?まさか、あの事をいっているのか。でも僕はそれを変えたいから計画を実行するわけではないのに。……まあ、今後の参考になる。このメールはとっておこう。

そとのき、送られてきたメールアドレスに気がついた。


『Kouki.n0416@××××』


コウキ…?ピリオドのあとにある n は恐らくイニシャル。そういえばこんな名前の人、同じ学年に ……。 って言うことは、この同じ学年の人だと思われるメールアドレスがElzaだと言うものか……。

いやけれど、Elzaは未来人。……明日学校に行ったときに、このコウキくんを探すしかないね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る