省略された…の現象

プラスティックの星が天井からつるされている。藤棚のようにいくつか連なった星が垂れ落ちてきていた。


暗い部屋の中には青白い光がほんのりと下から照らす。光に照らされて、星の角に集まった光が点となって浮かび上がる仕組みだ。


部屋の真ん中には変わった形のソファが置かれている。

腰かける部分がドーナッツのように背もたれを囲んでいる。背もたれは帽子のように丸くポッコリと膨らんでいる。


僕は腰かけると、背もたれの部分に後頭部を沈めた。後頭部は思ったより深く沈み込む。そして頭の形に沿っていく。


ウォーターベッドのような感覚だ。

これで大勢が腰かけると、頭を中心とした自転車のタイヤの骨組みみたいになるだろう。骨組みの隙間には子供が腰かけると丁度良いかもしれない。


ケーキは何等分できるだろう。



そして星を眺めているうち、不意に星の突起部分がひとつひとつ微妙に不規則になっていることに気付いた。最初は手作りなのだと思った。


しかし、ある瞬間にふと気づいた。

これは、実は銀河系の形をあらわしているのだ、と。



僕は余りにも驚いて店員を呼ぼうと思った。

しかし次の瞬間気づいた。


これは宇宙そのものだ、と。

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