ゲームセンターの地下にプラネタリウムがあるのを知っている。

入り口は最近よく見かけるような、ひと昔前の流行を標本化して博物館仕立てにしたアメリカのヴィンテージ雑貨店だ。

店内は薄暗い、ランタンの光を思わせる。

ランタンの光は1/fのゆらぎを持っている。

<__以下Wiki引用

1/ｆゆらぎ（エフぶんのいちゆらぎ）とは、パワー（スペクトル密度）が周波数 f に反比例するゆらぎのこと。ただし f は 0 より大きい、有限な範囲をとるものとする。

ピンクノイズはこの1/ｆゆらぎを持つノイズであり、1/ｆノイズとも呼ばれる。自然現象においても見ることができ、具体例としては人の心拍の間隔、ろうそくの炎の揺れ方、電車の揺れ、小川のせせらぐ音、目の動き方、木漏れ日、蛍の光り方などがある。また物性的には、金属の抵抗、ネットワーク情報流が例として挙げられる。

引用ここまで__>

缶詰のイラストや、切り抜き、端切れなどが置かれている。

入り口のドアにマリリン・モンローが貼りついていて、半開きの目で微笑みかけてくる。モンローはドアにはめ込まれたステンドグラスの間から覗き込んでくる。モンローに興味を持ったのはある番組で不幸な生い立ちを知ってからだった。彼女は孤児だった。彼女のセクシーな立ち居振る舞いは、家庭的な愛情の欠落から現れているのかもしれない。

僕は不幸な人間が好きなのかもしれない。

緑の小さいランプで埋め尽くされているドアは、クリスマスの気配を感じさせていた。

雑貨コーナーの奥に暗幕があり、その向こうにプラネタリウムは存在する。

Beneath the makeup and behind the smile I am just a girl who wishes for the world

～Marilyn Monroe～