第17話 クロナ




「今日からよろしくお願いしますマスター」


「え、すみませんどなたですか…どこかでお会いしましたか?」


「先ほど会ったばかりなのでわからないのも当然ですね

私はあなたの剣のクロナです!

証拠にさっきまであった剣がなくなっているでしょう?

そしてこの通り剣です!」


大人の雰囲気を出した女性は突然光り、

剣の姿へと変えた。

その姿は先ほどまで見ていたクロナだった。


「これでお分かりいただけましたか?」


「ああ…君がクロナだということは信じるよ

だけど赤子と聞いていたんだけどそれは?」


「それはあくまでそういう状態ということですので

実際はあなたのイメージからこの姿を作らせていただいております

あと知識などもご主人様から少々いただいております」


「なるほどね、それでこんなに賢いのか納得いったよ」


「それじゃ、ご主人様が賢いみたいじゃないですか」


と横からルリが割り込んできた。最近この子はなにかとあたりが強い…


「初めましてルリ様私はマスターの剣のクロナです。

これからよろしくお願いしますね」


「こちらこそよろしくお願いしますね~ク・ロ・ナ・さ・ん!」


2人はニコニコ笑いながらいがみ合っていた。


「はいはい、2人ともお終い今日から家族なんだから喧嘩しない!」


「「はい(はーい)」」


そして今日の授業を終えた。


「おーいクラウス!今日一緒にギルド行って何かクエスト受けないか?」


「いいですよこの後用事もありませんし」


「はい!ご主人様私も行きます!」


「ルリも来るのか心強いな!」


「えへへ~」


「マスター私も連れて行ってくれますよね?」


「もちろんだ一番の目的はクロナの性能を確かめに行くみたいなものだからな」


「了解しました」


「私も気になりますねその剣の性能どれだけすごいのか」


「それだけ期待されるとさすがに恥ずかしくなってしまいます…」


「とりあえず行きますか!」


「「「はい!」」」


―――――――――――――――――――――――――――

そして俺たちはギルドへと着いた。


「お姉さん!お久しぶりです!」


「あ!もしかしてベル様ですか!?

いままでどこ行ってたのですか!

1ヶ月間ギルドに顔を出さなくて心配してたのですよ!」


「ちょっと修行に出ていましたので…すみません」


「無事に戻ってきてよかったです…」


「心配してくれてありがとうございました

それでお姉さんなにかいい依頼ありますか?」


「今探してきますねちょっと待っててくださいね!」


………………


「オーク討伐とかどうですか?森のちょっと入ったところにいますが

オークは集団で動いているのでそれさえ気をつければベルさんたちは

大丈夫だと思いますよ」


「じゃあとりあえずそれ受けますね」


「かしこまりましたこちらで手続きしときますので行ってきても大丈夫ですよ」


「ありがとうございます!それじゃあ行ってきますね」


「はい!行ってらっしゃいませどうかお気をつけて」


「さあ、今度はスライムみたいなことは起きるなよ~?」


「ベルさん…そんなことめったに起きることじゃないんですから…」


「それもそうだな、とりあえず行きますか」


――――――――――――――――――――

俺たちは森の中へ移動した。


「ここら辺ですかね?」


「そうだな聞いてた場所だとこの辺になるな」


「ご主人様どこにいますかね…」


「ルリ隠れろ!あそこにいる!クラウス準備はいいか?

よし!クロナ、剣に変身してくれ!」


「はい!任せてください!」


クロナが剣へと姿を変えた。


「マスター準備は完了です、いつでも行けます」


「わかった、数は5体か…いけるな、ルリ行けるか?」


「はい大丈夫ですぅ!」


「おう!クラウスもいいか?」


「はい大丈夫です!」


「じゃあ行くかルリは魔法で援護を頼む!俺とクラウスは前衛に行く!」


「了解しました!」


「行くぞクラウス!」


「遅れは取りたくありませんね!」


2人は5体のオークの目の前に出てオークが驚き混乱している間にお互いに1体ずつ真っ二つに切った。


「うおぉ…クロナの切れ味すごいなオークの骨までスパッと切れたぞ!」


「私をなめてもらっては困りますね、これが私の実力ですよ」


「見直したよ!さすがクロナだね!」


「そこまで言われるとさすがに恥ずかしいです…」


「はいはいご主人様とクロナさん話してないで

お2人とも話してるからもうオークさんたちがっちり構えちゃってますよ…」


「すまんすまん!」


「クラウスさんを見てください!完全にあきれてますよ!」


「いや私は別にそんな呆れなどしてませんが…」


「あ~とりあえずご主人様!今は目の前の敵に集中してください!」


「はいはい、よし行くぞクロナ!」


「はい!マスター!」


「じゃあちょっくら本気でやりますかね…」


その瞬間オークたち全員が真っ二つになった。


「ふうぅ…いっちょ上がりっと」


「相変わらず、ご主人様はすごいことしますね…」


「ベルさんやはりすごいですね…」


「マスターってひょっとしてすごく強いですか?」


「まあ学校の生徒の中では一番だな」


「えええええええ!!!!???って言いましたけど

その学校に強いお方がいるかはわからないので判断はしかねますが」


「俺はそんなに強くないよ…まだまだ世界は広いわけだし

俺より強いやつなんて世界には山ほどいるよ」


「私のご主人様は世界一です!!」


「ありがとなルリ…」


「えへへ~♪」


「とりあえずクロナの性能も確かめたことだし

もう少しここらへんで狩ってから帰るか…」


「「「了解です(はい!)」」」


僕たちはオークたちを規定の数より少し多めに倒してギルドへと戻った。


「お姉さんクエスト終えてきましたよ~」


「ちょっと皆さん!?早すぎませんか?」


「そうですか?結構ゆっくりめでやってきたんですけど…

とりあえずクエストの処理お願いします」


「はいは~い、今やりますね~」


………………


「おまたせいたしました!

クエスト分の報酬と追加で倒したの分で多めに渡しておきますね!」


「ありがとうございます

僕たちはそろそろ帰りますね」


「はい!お疲れ様ですみなさん

また来てくださいね!」


「はい、ありがとうございました、じゃあ行きますか」


「おい、坊主!」


「なんでしょうか?」


「お前かここらへんで最近噂になっている少年冒険者は」


「いや知りませんけど…」


筋肉マッチョのいかつい?おじさんが話しかけてきた。


「坊主こんな小さいのにこんなところ来るんじゃねえ

さっさとおうちに行ってな」


「あ~また~!!

アグニさん~!!このひと子供冒険者見かけたらすぐ帰れっていうんですよ!

アグニさん!この子は結構強いんですよ!

ベルさんたちどうぞ帰ってもらって大丈夫ですよ!」


横から受付のお姉さんが割って入ってきた


「そうですか?ならすみませんね行かせていただきます」


そういって僕たちは寮へと帰った。

その後…


「ったくあいつらはまだガキだ…

未来がある守ることは大人がすることだ」


「アグニさん…でも今はもうそんな時代ではないんです

1人でも多くの力が必要なんです!」


「わかってはいるんだがな…やっぱりどうもな…」


「私もあんなことを賛同できません

でも今は大事な時期なんです、一人でも多く戦える人材を増やしておかないと…

いつ戦争になるのかわからないですから…」

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