第12話 武闘大会







ギルド登録から数日…


「みなさん!ついに武道大会の時期がやってきました!

開催日は来月です。明日から武道大会の準備期間なので授業も午前までとなります。

1年生大会に参加するか、無差別大会に参加するかは

あとで先生のとこまで来てくださいね。

ちなみに魔法剣士科は強制的に全員無差別大会の方に参加なので

皆さん頑張ってくださいね!」


「「「はーい」」」


武道大会か…

この時点で見ると、上級生もいるし

上級生で魔法剣士科以外のクラスからも来るということもあるのか

まあ魔法や剣のどちらか一つを極めているから負けないとも限らない

気は抜けないな。もしものためにいろいろ準備しておくか…


「あ、そういえば優勝者にはすごい賞品が出るみたいですので頑張ってください!」


「はい!!」


「48期生はみんなやるきがあっていいわね」


そういってアデラ先生は教室を後にした。

俺はその夜悩んでいた。


「どうするかなぁ…」


「どうしたんですかぁ?ご主人様ぁ」


「いや来月武道大会があるんだけどなんか上級生とも当たるから

なにか奥義とか必殺技とか考えないと勝てないかな?なんて思ってるんだけどどう?」


「ご主人様は今のままでもおつよいですよ!」


「いやこの数日で結構強くなったけどさすがに上級生に何もなしじゃ勝てないよ」


まあそんなこと言って剣術ナンバー2のエリックは倒せてたしな

でもそれは魔法なしの場合だ。今回は魔法もありだから勝てるかもわからない。

ちなみにおれは集団スライム事件によってステータスが尋常ないほどあがっていた。


名前:ランベルト・エンシーナ

性別:男

力:5000

防御:4000

魔力:12000

運:100


従魔

ルリ(スライム)


特殊能力

女神の加護

成長促進


そしてギルドランクがFからDに上がったため見れる能力の項目が一つ増えていた。

あとは力と魔法が大幅に上がっているそれについては

特殊能力にある成長促進というのが関連している。


成長促進

己および従魔の成長を10倍にする


これを見た瞬間俺は


……チートやん


と思わず言ってしまった。

ただでさえ人より成長しやすかったのにさらに10倍なんて付くものだから

この世界はヌルゲーと化してしまった…

とりあえず武闘大会で負けたくないので魔獣でも倒してステータスの底上げと

何か対策を考案でもして準備するか。


「ルリ俺は明日から魔獣倒しに毎日行くけどくるか?」


「行きます!私も強くなってご主人様を守りたいですからね!」


「そうか!じゃあ一緒に行くか!」


「はい!!ありがとうございます!」


「とりあえず寝るかほらおいでルリ」


「はい!ご主人様ぁ!ふにゅぅ~~」


俺はルリが来てから毎日ルリを抱き枕にして一緒に寝ている。

ちなみに最近ルリは俺が頼んで変化のスキルを使ってもらい

少女の姿に変わってもらっている。

周りから見たら兄妹が一緒に寝ているようにしか見えないが

実際の年齢は20代半ばだからほぼ犯罪状態だがバレなきゃいいのだよ。

そんなことを思いながらルリと一緒に寝た。


次の日オーク討伐を受け森に向かった時だった。

一人の人物見た。その人物は金髪で白色の防具で身を固めていた。

だがその人物はドラゴン5体と一人で対峙していた。


「ご主人様あれって…」


「あの制服うちの生徒だよな…やばいんじゃないのか?」


「いえご主人様お待ちください」


「いやさすがに助けなきゃまずいだろ…」


「失礼ですが、あれはノーネームドラゴンの中でも最上位種に位置する

アークドラゴンです。それが5体ご主人様が行っても足手まといなるだけです。

むしろ死んでしまいます」


「俺は何もできないってことか…」


この状況ははっきり言って悔しい

戦いに参戦できないしさらに足手まといと言われてしかもこんなに強いやつが

いたのか、学校の強い人たちはマークしてあったがこんな奴は見たことも聞いたこともなかった。

もしかして44期生ランキング1位か!

噂やどこにいるかも聞かなかったがまさかこんなところ会えるとはな…


1位は剣術と光魔法ほ駆使してアークドラゴンを圧倒していた。

俺は天狗になっていた。女神の加護や成長促進でチートなど言って

武闘大会も余裕で勝てると思っていた。

だがそんなのはただの思い上がりだった。


「ご主人様行きましょうここにいて巻き込まれたら大変です」


「わかった…」


俺たちはオークを倒してさっさと寮に帰った。


「どうしたんですか?ベルさんそんな暗い顔して」


「クラウス…俺は思いあがっていた。適性検査でみんなや先生方に驚かれて

俺は強いと自分で思い込んでいた。そんなことなどはなかった上には上がいることが

思い知らされたよ…」


「ベルさん今日なにがあったんですか…」


「ちょっといろいろありましてね今日はもう疲れたんで寝るよ…」


「わかりました。おやすみなさいベルさん」


「ああおやすみ」


そして次の日の朝…


「ぐすっ…ぐすっ…ぅぅ」


「んん~~~ん?ルリさんどうかしましたか?」


「ご主人様がぁ~ぅぅ…ご主人様がぁぁ…」


「ベルさんが?」


「いなくなっちゃいましたぁあああ~~!!」


「いつもの朝練では?」


「ぐすっ…これみてくださぁい…」


「ん?これは…」


それは置手紙だった。

内容見てみると…

ルリとクラウスへ

君たちがこれを読んでいるとき僕はいないだろう

僕は強くなるために修行にでる。

武闘大会までには戻ると思う探さないでくれ。

クラウスは学校にはどうにか説明しといてくれ

それと僕が帰るまでルリを守ってあげてくださいお願いします。

俺がいなくなって心配すると思うからルリを慰めてあげてくれ。

それじゃあまた武闘大会で


「ベルさん…」


任されたからにはやるしかないですね…


「ルリさんベルさんなら大丈夫ですよ。自分の主なら信じて待つべきですよ

そうしてればベルさんも安心です」


「ぐすっ…はい…ルリ頑張ります…」


これでルリさんもすこし頑張ってくれるだろう…

ベルさん頑張ってくださいね…


――――――――――――――――――――――

その一方ベルは…


「やっと着いたか…」


俺は修行するために山に来ている。

持ち物はとりあえず剣2本と数日分の水と食料だけ持って来ている。

そして今日から1か月の山籠もりが始まった…

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