第2PLAY 帰り道の本音

 この人は、今なんて言ったんだ?もしかして、どっかのゲーム状態異常の魔法ですかね?もしそうなら、俺の今の混乱している状況は納得できるんですが。そしたら、今ここはゲームの中ですかね?


 そんなわけねーだろ!でも、そう思ってしまうくらい俺は混乱していて、どれをどうしたらからこうなったのがわからなっかった俺は

「何がですか?」

 と丁寧語交じりな愚問にたいして

「もしまい君に放課後予定とかなかったら、私とまい君で一緒に帰らない?って言うお誘いなんだけど」

 とわかりきった質問をしてくる彼女に。そんなことはわかってますよ!なぜ俺とを聞きたいわけで、なぜ俺にいきなりなのかを聞きたいわけなんですよ!と聞きたいが聞けず一人で考えていると

「ダメかな?」

 彼女が上目ずかいで言ってきた可愛い言葉の前に俺の思考回路は停止して

「いいですよ」

 とつい返事をしてしまった。



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 俺は一人玄関口の靴箱の前で後悔していた

「なんで、いいですよ。なんて言ったんだ」

 とため息と愚痴をこぼしながら。俺はどうしたらいいんだ?マジでなにすればいいんだ?一人で帰るにもなんか猫桜びょうざくらさんを裏切ったかんじで嫌だし、だからと言って女の子と帰ったことないからわかんねーよーと泣きそうになりながら待っていると突然後ろから俺は肩をつかまれ、

「待っててくれてたんだ」

 と声がする方へ顔をむけると笑顔の猫桜さんが立っていた。


「待っていたといいますか、なんといいますか」

 わかっていた現実がいざ目の前に来て戸惑った俺はおかしな返事をしてしまい。それに対して彼女は

「あーまた使ってる!タメ語でいいよ~というか、タメ語にしてよ~」

 と俺にお願い事をしてくる、こんな男友達とは違う雰囲気にあっとうされて「今からでも一人で帰ろうかな」と一人考えていると。もうすでに上履きを履き替えて玄関口を少し進んでいるこころさんは俺の顔を見ながら

「それじゃあ、かえろっか」

 て言うもんだから俺の心臓がドキと跳ねたのと同時に恥ずかしがりながらも俺は

「うん」

 と答えてしまった。


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 それから、猫桜びょうざくらこころさんとの帰り道というと。とにかく距離が近い。近すぎる。こころさんは事あるごとに近づいてくるのだ。その度に俺が離れているので絶妙な距離感は保たれているのだが。会話としてはこころさんが話しかけてきてそれに俺が短く答えるかんじだ。


「まい君はどこら辺にすんでるの?おうち?」


「前から松島らへんに住んでるよ」


「ほんと!私も松島にすんでるよ」

 ということは、前から見たことが一度もないから最近引っ越してきたのかな?まぁ、俺はチェリーボーイなんで疑問を女の子に聞く勇気なんてないけどね。


「そうなんだ、俺の家と家近そうだね」


「うん、そうだね。だから長く一緒に帰れそうだね」

 と誤解しそうなことをこころさんが言ってきたので焦った俺は

「えっ」

 とそのまま焦った言葉が出てしまい。どうかしたと言わんばかり俺の顔をこころさんはみながら

「んっ?」

 と返してきたこころさんに対し焦りを悟られないように、へたくそながらも俺はポーカーフェイスを演じながら

「でもあれだね、長くっていっても、学校から徒歩15分のところの地区だからそんなに、長くはないね」

 と平然と見えるよう演じきったと気を抜いた俺に対して

「そこが、残念だよね~もっと長く帰りたかったのに~」

 二回も誤解しそうなことを猫桜さんは言ってきた。

そんなこと言うとは思ていない俺は自然と

「確かに、そうだね」

 と愚答してしまい。それを聞いた彼女は

「まい君もそう思ってくれるんだ!」

 と満面の笑みで俺の顔をみてくるもんだから赤くなりそうだった顔をそらすと

「ねぇ~あのさ~まい君って彼女さんいるの?」

 と聞いてきたので今度こそ正答をつげようとこころさんの顔を見て

「いないよ」

「逆にいるようにみえる?」


 それに対し彼女は考えるようなしぐさをしてから


「そうかなぁ~そうだよね」

 と俺には腑に落ちない答え方をして目線を俺の顔からそらした。


それから少し会話をして

「私、家こっちだから、それじゃあ、またね」


 小走りで枝別れの左側を帰っていくこころさんの背中を俺は右側の道で胸をホットなでおろしみていたのだった。


いっぽう、猫桜こころは前桜まいが見えないところに小走りで来ると

「よし」

と小さい声ですぶやいていた。

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