第9話
今年の夏からなぜか生理がこず
もう上がりかけてるのかも?と思いながらほっておいて約半年、大概病院行かねばあかんやろと重い腰を上げる。
1週間前に予約入れても待たされるのが当たり前。朝イチに来たのに昼マエに呼ばれるというよくわからん仕組みに頭を抱えながらやっと診察室へ。
内診してもらい、ついでに子宮頸がんと子宮体がんの検査もしてもらう。
初めて内診をしてもらったのは中学生の時。
夏になるといつも生理が長引き毎日毎日ナプキンをつけてないといけない状態に…。
親に相談すると1回病院に行ってきなさいと言われ、恐る恐る病院へ行ってみた。
そこの病院は母が私達兄弟(五人兄弟)を産んだところで馴れ親しんだ場所ではあるが、やはり女としてあそこを見られ、しかも中に入れられいじくりまわされることが怖いというか不安でたまらなかった。
先生はかなりの高齢だから恥ずかしいという気持ちはないが、ときどきペンを持つ手が震える時があったのでその手で何かされるのかと思ったら
先生に症状を説明してそれから内診台に乗ってくださいと言われた。
私はカーテンを閉めてゆっくりスカートをたくし上げてパンツを脱いだ。ナプキンには微量の血がついている。私はそれを右手でクシャっとしながらカゴにしまい内診台へと向かった。ソックスはどうしようか?脱いだ方がいいのか?お股おっぴろげなのにソックスは履いてる姿が滑稽に思えて急いでソックスも脱ぐ。
内診台を見つめ覚悟を決める。スカートを捲りながら座り足を台に乗っける。ふぅーと息を出したらウィーーーンと内診台が動き出した。
私は目をつぶった。
ガキーーンと動きがとまる。
誰かの冷たい手が私の膝を触る。
体がビクンと上下するくらい驚く。
その手が膝を開いていく。
そしてお股全開になる。
初めてのこの格好になんか少し大人になったきがした。
先生が言う。
力抜いて動かないでね。
カチャカチャと機械の音がする。
怖い…。
その機械が私の中にみしりみしりと入ってこようとする…。
体が強ばる…。
先生が言う。
息吸って…吐いてみて。
その通りにする。
ゆっくり吸ってゆっくり吐く…。
その瞬間、にゅるんとなんか冷たい機械が入った。
私は軽いパニックを起こした。
でも唇を噛み声を押し殺し手は両方内診台を掴んで早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ早く終われ…そればかりを呪文のように繰り返した。
いつの間にか終わっていて降りてくださいと看護師の声がした。
私はなんとか立ち上がり汗まみれの顔をスカートで拭き、しわくちゃのパンツにまだ震えている足を入れ、ソックスはもう履く力が残っておらず、片方ずつブレザーの両ポケットに突っ込み先生のいる診察室へ移動した。
異常ないですね。
ホルモンバランスが崩れたのでしょう。
あと、身体が大きいのに子宮がまだ成長しきれてないようです。
もしかして大人になった時子供ができにくいかもしれませんね。
と先生に言われた。
子供心に癌かもしれないと思ってたから安心したが、まさかの子供が出来にくいうんたらかんたら…と言われ驚いたが、そういう夢を抱かない子供だったのでやっぱりね…と納得したのだった。
病院を出て家に歩いて帰って、母親に大丈夫だったよとしか伝えずそそくさと2階に上がる。
私は部屋に入り、1人パンツを下ろし小さい鏡を置いてあそこをみた。
少しその穴から出血が見られた…。
ちょっとヒリヒリしている。
私は思った。
こんなところを私じゃないほかの人が見たんだ…。
なんて汚いんだろう…。
どうしてこんなところからあんな可愛い赤ちゃんが出てくるのか。
どうしてこんなところに男は入れたがるのか。
そしてどうしてこんなところに女は男を入れたがるのか。
そんなことを思いながら見つめていると
自分の穴なのに自分のモノじゃない気がしてきた。
そんなことをふと思い出しながら診察を受け
今回も異常なしとの言葉をもらい
ほっとして家に帰った9日目だった。
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