ゴルゴちゃん13才、餃子の王将に行く。15



「伝票お預かりしまーす!」



 ガンケースを担いで、テーブルに伏せられていた伝票を持ってレジに向かうと、男性店員がやはり威勢良く応じた。


 ゴルゴちゃんはいつものように淡々と、ポケットから現金を出して支払うだけだが。


 しかし、そのとき──。



「…………!?」



 ゴルゴちゃんは信じられないものを見た。


 それはレジ横にあった、「持ち帰り」コーナーのポップだ。


 生の餃子をオススメする中に、なんと。




『王将マジックパウダー 200円』




 普通に売っていたのだ。


 マジックパウダーを!!


 しかも今だけ限定で、『小瓶つき290円』だという!



「えー、では天津飯セットで、会計は……」



「……。これも、足して欲しい」



 思わずゴルゴちゃんは、そんなことを言っていた。


 普段ならこんな目立つ真似は絶対にしない。


 だが、どうせ旅先の出来事だ。


 これくらいならいいだろう。


 ──そうさせるほどの不思議な力を、マジックパウダーは持っていた。


 まさに魔法の粉である!



「はい。マジックパウダーですね? 小瓶つきの方で?」



「…………」



 こく、こくん。


 ゴルゴちゃんは二度も頷いてしまった。

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