ゴルゴちゃん13才、餃子の王将に行く。13



 おっと、そういえば唐揚げも残っていた。


 セットなので数は少ないが、こちらも白米の相性がばっちりな一品だ。



「……白い粉、か」



 ゴルゴちゃんはわずかに苦笑する。


 手を伸ばして掴んだのは、ラー油の瓶の隣にあった、白い粉の小瓶だった。


 通称『マジックパウダー』である。


 妖しい名前だが、ヤバイ薬などではない。


 王将が独自に提供している、味塩コショウだ。


 ただし病みつきになる調合の──。



「…………」



 王将の唐揚げは、そのままでは淡泊な味付けだ。


 だからマジックパウダーを振りかけて食べるのが、一般的となっていた。


 ゴルゴちゃんもそうしている。


 ぱっ、ぱっ、ぱっ。


 小瓶を振って唐揚げにぱらぱらとパウダーをかけた。


 多すぎると塩辛くなるが、少なくても味気ない。


 ちょうどいい加減を見極めるのは難しいが、ゴルゴちゃんは少し多めに振りかけた。


 それから唐揚げを一つ箸でつまみ、軽くパウダーを落としてやる。


 これで好みの量に調節するのだ。


 ほふほふ、ほふほふ。



「…………」



 揚げたての唐揚げは、まだ熱かった。


 それでも熱いうちが一番だ。


 ゴルゴちゃんは唐揚げにかぶりつく。


 じゅわわわわっ。


 ──あっさりとしながらもコクのある鳥の脂のジュースが、一気に喉の奥に流れ込んだ。


 そこにマジックパウダーが絡む。


 いい塩梅だ。うまい!


 パウダーの風味と塩気が、ジューシーな唐揚げの味を何倍にも膨らませるのだ。

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