ゴルゴちゃん13才、餃子の王将に行く。11


 しかし天津飯というものは、食べ進めていくバランスが難しい。


 こうよくできていると、ついつい上の卵を食べ過ぎてしまいがちだ。


 だがそうなると、白ご飯をあんだけで食べなくてはいけなくなる──。


 それはよろしくない。


 ──だからゴルゴちゃんは、あえてセットメニューにしたのだ。



「お待たせしました! 唐揚げと、餃子です!」



 ゴルゴちゃんの前に、残りの二品が届けられた。



「ご注文は以上で揃いましたでしょうか?」



「…………」



 こくり。


 ゴルゴちゃんは深く頷く。



「では、ごゆっくりどうぞー」



 店員が去っていき、ゴルゴちゃんはようやく揃った唐揚げと餃子の皿を引き寄せる。


 そしてもう一つ。調味料の置かれている側に重ねられていた、小皿を一枚手に取った。


 餃子のタレをつくるのだ。


 酢醤油を多め、ラー油をほんの一滴が、ゴルゴちゃんの好みである。



「…………」



 さて、では新たに割り箸を手にして、ゴルゴちゃんはくっついている餃子を引き剥がしにかかった。


 焼きたてのうちが一番剥がしやすいのだ。


 それに王将の餃子は、リーズナブルなぶん、皮が薄くてすぐに破れることが多く──んんんん?



「…………!?」



 皮が、厚い?


 割り箸から伝わる手応えが、ゴルゴちゃんの知っているそれとは違っていた。


 しかも餃子はあっさりと、皿の上できれいに一つずつ剥がれた。


 ぷりっぷりの皮である。


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