ゴルゴちゃん13才、餃子の王将に行く。8



「…………」



 ゴルゴちゃんは、調味料の向こうに立てかけられているメニュー表を手に取った。


 冊子状になっているものだ。


 他にも限定メニューや、『ジャストサイズメニュー』なる量の少ない品のものが、一枚だけの表であったが──あまり興味がない。


 とりあえず餃子は注文することに決めていた。


 餃子の王将だからである。


 あとは、セットメニューのページを開いていた。


 餃子のついたセットを注文しようというのだ。


 いくつかあるが、ゴルゴちゃんが選ぶのは──。



「…………注文だ」



 ゴルゴちゃんは挙手して、店員を呼びつけた。



「はい、お決まりですか?」



「この……天津飯のセットを、頼む」



「わかりました。天津飯セットですね! ご注文は以上で?」



 こくり。


 ゴルゴちゃんははっきり頷く。



「はい。……コーテル、イーガー入りました!」



 すると店員が厨房に向かっていきなり叫ぶ。



「あいよ! イーガーコーテル!!」



 厨房で、白い調理服を着た男が威勢良く応えた。


 ──王将独自の「通し言葉」だ。


 中国語もわかるゴルゴちゃんは、イーガーが「1」を意味すると知っている。


 また焼き餃子を中国では「ゴウティエ」というのだが、それがなまってコーテルとなっているのだろう。


 天津飯セットには餃子がついてくる。


 そして餃子は焼くのに時間がかかるため、早く調理を始める必要があり、真っ先にオーダーが通るのだ。


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