ゴルゴちゃん13才、餃子の王将に行く。7



「いらっしゃいませ~! 一名様ですか?」



 自動ドアをくぐれば、威勢のいい男性店員が飛んできた。


 もちろんゴルゴちゃんは一人だ。


 いつものように人差し指を一本立てて、席へと案内される。



「…………」



 店内は奥行きのある造りになっていた。


 入り口を入って右手側に丸見えの厨房があり、カウンター席がくっついている。


 だがゴルゴちゃんはそこを通り抜けて、奥のソファ席に誘導された。


 空いている時間帯だからこそだろう。


 また、持っていたガンケースが大荷物と判断されたか。


 確かにソファ席は、ガンケースを置くにはありがたかった。



「お冷やです。ご注文が決まりましたらお呼びください」



 ガンケースを壁に立てかけ、ソファに座ったゴルゴちゃんに、店員が冷水の入ったガラスコップを置いて立ち去る。


 それはシンプルな形をした、アルファベットで『OHSHO』とロゴが入ったものだ。


 フ、とゴルゴちゃんはかすかに笑った。


 東京でも餃子の王将に入ったことはあるが、やはり同じコップだった。


 ロゴのデザインが妙にスタイリッシュなので、よく覚えている。


 それに、店内の雰囲気に違いがない。


 使い込まれた樹脂製のピッチャーがテーブルの端に置かれている。


 それでいて見当たらないのは、店員を呼ぶためのコールボタンだ。


 王将では店員に直接声をかける、昔ながらのレトロスタイルなのである。


 それがいい。ゴルゴちゃんは思う。


 これが餃子の王将なのだ。


 ──さて、ところでなにを食べようか?


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