ゴルゴちゃん13才、餃子の王将に行く。6




「おおきに!」



 すり替えたゴルゴちゃんのスマホを代わりに受け取ると、情報屋は観光客らしく展望台入り口へと向かった。


 だが、ゴルゴちゃんはもうついて行く必要がない。



「…………」



 そのまま入手したスマホの画面にタッチしながら、元来た道を引き返す。


 ──これで大阪の用件は終了だ。


 特に問題もなく仕事の遂行に移れそうだ。


 もちろん、すぐに動くのがいいのだが。



「…………」



 さっきから、この新世界という場所は、ゴルゴちゃんの胃袋を刺激してくる。


 あちこちにある串カツ屋から、揚げ物やソースのいい匂いが漂ってくるのだ。


 新幹線で昼食を取ったゴルゴちゃんだが、これではたまらない!


 さすがは大阪、食い倒れの町だった。


 時刻は夕食にはまだ早いが、どの店も混雑する時間帯ではない。


 ゴルゴちゃんにとっては都合のいい頃合いだった。


 だが制服姿の女子中学生が一人で串カツは、目立ちすぎる──。



「…………」



 もう少し入りやすい店はないだろうか?


 ゴルゴちゃんは通りを歩きながら、あちこち見回す。


 学校終わりの学生が、ふらりと入っておかしくない、そんな店は?



「…………!」



 あった。


 見つけた!


 ゴルゴちゃんははっとする。


 見えたのは一際大きな串カツ屋の向かいで、でかでかとした餃子の看板を掲げた店だ。




『餃子に絶対の自信あり』




 さらにその横には、堂々としたそんな文字まである。


 そこは中華チェーン店『餃子の王将』の店舗だった。

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