ゴルゴちゃん13才、用務員室に行く。9
もっとも、いつまでものんびりしているほどゴルゴちゃんは愚かではない。
「…………」
腰を上げると、皿を手にしてシンクに向かった。
食器用洗剤できちんと洗い、痕跡一つ残さない。
割り箸とU.F.Oの容器も軽く洗った後、コンビニ袋に戻してきっちりと縛り、ガンケースに戻す。
こっちは学校の外で処分するのだ。
さらに──焼きそばU.F.Oの唯一の弱点は、その残り香だ。
香ばしすぎるソースが、いつまでも体に纏わり付いてしまう──。
その対策用グッズも、ゴルゴちゃんはしっかりそろえてきていた。
ガンケースをまさぐれば、そこから歯磨きセットの入ったポーチを取り出した。
もちろん用務員室にシンクがあることを踏まえて、持ってきたものである。
歯を磨き、さらに換気扇を回しながら、部屋の匂いも追い出していく。
追加でポーチから、小型の消臭スプレーを出した。
しゅっ、しゅっ。
制服に振りかければ、これで万全である。
「…………」
腕時計を確認すれば、そろそろ昼休みも終わる頃合いだ。
すべての片付けが完了し、ポーチをしまったガンケースを手にして、ゴルゴちゃんは用務員室から出た。
後は何事もなかったかのように、教室に戻るだけなのだ。
──うっかり用具室のドアに立てかけたパイプ椅子がそのままだったことを思い出して、急いで引き返すはめになったけれど。
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