ゴルゴちゃん13才、用務員室に行く。4


 ちかちかと点滅していたポットのランプが消え、再沸騰が終了する。


 そのときにはもう、ゴルゴちゃんは焼きそばU.F.Oのフタを半分剥がし、中からソースとふりかけの袋を出して準備万端だった。


 じょぼぼぼぼぼぼ、ぼっ。


 フリーズドライのキャベツや豚肉にまみれた乾燥麺に、なみなみとお湯を満たした。


 熱くなるのでコタツの上に起き、ゴルゴちゃんは腕時計を確認する。


 愛用するのはスイス製の、オーダーメイドの自動巻時計だ。


 磁場の影響を受けない、正確無比な代物である。



「…………」



 焼きそばU.F.Oができあがるまで、3分。


 フタの上にソースの袋を重石代わりに置いて、あたためておくのも忘れない。


 だがこのときゴルゴちゃんは、目ざとくあるものを捉えていた。


 キッチンのカゴの中に、カップや湯呑みとともにあった平皿だ。


 それと小型の冷蔵庫の上に鎮座する、電子レンジ──。



「…………!!」



 同時にゴルゴちゃんは、あることを閃く。


 あのネタを試す、絶好の機会だった。


 それは秘密の仕事の片手間に得た、ちょっとしたものだ。


 カップ焼きそばをレンジでチンすることで、食感を「劇的に」変えるという裏技だった。


 確か、あれは。



「……。2分で湯切り、それから……レンチンだったか」



 腕時計の針が、もうすぐ2分経つ頃合いだ。


 そうと決まればゴルゴちゃんの動きは速かった。


 重石のソースの袋をどけて、フタに残る「湯切り口」のシールを剥がした。


 腰を上げ、キッチンのシンクに立つと、一気に中のお湯を捨てる!


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