ゴルゴちゃん13才、ゴディバに行く。9



 そんなことを思ったとき──。



「…………!!」



 ゴルゴちゃんの舌に衝撃が走った。


 ごくごく飲み進めたその果てに、さらなる甘さが触れたのだ。


 まるで鋭利なナイフで突き刺されたかのごとく、鋭い甘みだ。


 そしてふうわりと香るのは、キャラメルの風味だった。


 ──ついにトリュフキャラメルとやらが、ゴルゴちゃんの前に現れたのである。



「…………フ」



 ゴルゴちゃんはつい微笑む。


 どういう仕掛けなのかわかったのだ。


 カップの中身はもう、残り少ない。


 だから飲み干す寸前になって、上部にあったクリームの層に到達したのだ。


 キャラメル味はそこに潜んでいたのである。


 ゴルゴちゃんはフタをもう一度外して、確認してみる。


 やはりそうだ。


 残りはクリームと、その上にかけられていたソースやアーモンドくらいだった。


 キャラメルは、チョコレートに見えたソースだろう。


 フタを外したまま飲めば、その独特の甘さがはっきりとわかった。


 そこに砕かれたアーモンドが混ざり、香ばしさも演出する。


 計算したものか、はたまた偶然か。


 クリームが最後に残るため、こうして見事な後味が生み出されたのだ。


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