ゴルゴちゃん13才、ゴディバに行く。7


 あった!


 ゴルゴちゃんが辿り着いたのは、一階のフロア端に設けられたフードコートだ。


 そこには十分な数のテーブルや椅子が置かれていて、自由に飲食で使えるようになっていた。


 さらに広々とした空間には、天井を支える太い柱がいくつもそびえている。


 これが大事だ。


 一本の柱の側のテーブルが、ちょうど空いていた。



「…………」



 そこにゴルゴちゃんは陣取る。


 もちろん柱を背にして、椅子をぴったりと寄せた。


 後ろから誰も、襲ってこられないように。


 ふう。


 ゴルゴちゃんはようやく一息吐いた。


 ガンケースを柱に立てかけ、ドリンクのカップとチョコの紙袋をテーブルに置いた。


 チョコをいただきながら、ショコリキサーを堪能するつもりなのだ。



「…………」



 それにしても、ショコリキサーが気になった。


 ダークチョコレートの、トリュフキャラメル。


 どうやら期間限定のものらしい。


 他にもホットは「ホットショコリキサー」とだけ書かれたものがメニューにあった。


 それをベースによりチョコ感を増して、キャラメルを足したというところなのだろう。


 とりあえずゴルゴちゃんは、プラスチックのフタを一度外してみた。



「…………!」



 おお。


 ゴルゴちゃんはわずかに目を見張る。


 カップの中身は、確かにメニューの写真で見たとおりだ。


 チョコ色のドリンクの上に、白いクリームがのっていて、あたたかさに少し溶けている。


 さらに濃いチョコ色のソースがかかっていて、アーモンドを砕いたものがたくさんトッピングされていた。


 キャラメルは、どこにあるのかわからないが──中に混ぜられているのかもしれない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る