ゴルゴちゃん13才、ゴディバに行く。6
ホットということもあり、ドリンクは厚手の紙製のコップに入っていた。
紙袋同様、ちゃんと「GODIVA」の銘入りだ。
しかしそのサイズは写真で見たのより、ずいぶんと小さい印象を受けた。
「…………?」
普通のファストフード店の、Sサイズといったところだ。
いや、ホットコーヒーと同じと考えれば、一般的だろう。
さらにカップにはプラスチックのフタがついていて、中身が見えない。
それがいっそうカップをこぢんまりと見せているのかもしれなかった。
とにかく──買ったはいいものの、どこで飲もうか?
ゴルゴちゃんはゴディバのテナント前から移動しつつ、カップに口を付けるのを我慢する。
せっかくのホットだから、もちろん冷める前に飲みたいが、人は飲み食いしているときが一番無防備になるものだ。
どこか落ち着いて、荷物を下ろせる場所が必要だった。
駅ビルの中は、広い通路のあちこちに独特の形をしたソファーが置かれて、そこで人々が勝手に休憩を取っていた。
ゴルゴちゃんも、そこに座るのが手っ取り早いか。
しかしゴルゴちゃんはそうしない。
「…………」
どのソファーも壁際ではなく、通路の真ん中に配置されていた。
空いている場所に陣取っても、これでは誰かにあっさり背後を取られるかもしれない。
そんな危険はプロとして犯せない。
だからゴルゴちゃんの足は、自然とビルの一階に向かっていた。
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