ゴルゴちゃん13才、ゴディバに行く。4



「はい。レジェンデールトリュフ、アニベルセル6粒で、よろしかったでしょうか?」



 ダークチョコレート色の帽子をかぶった店員が確認してくる。


 こくり、とゴルゴちゃんは頷いた。


 さっそく店員が6個入りのトリュフチョコの包装に入った。


 それにしてもすごい名前だ。レジェンデールトリュフ、アニベルセル。


 確か中身はそれぞれ違うトリュフチョコになっていて、考案された年代が違ったはずだ。


 1926年につくられたオリジナルを筆頭に、近年の最新作まで入っている。


 それらをひとまとめに楽しめる基本のセットが、この6個入りのものだった。


 間違いなく、ゴルゴちゃんの舌を満足させてくれるに違いなかった。



「…………?」



 だがこのとき、ゴルゴちゃんはレジの前に置かれていた、一枚のメニュー表に釘付けになった。


 そこにずらりと並んでいたのはチョコレートではない。




『ショコリキサー』




 そういう名で売られていた、どれもカップに入った、チョコレートを使ったドリンク類だった。


 いつの間にこんなものまで!? ゴルゴちゃんは動揺する。


 が、もちろん表情には出さない。


 ごくり。


 かわりに喉が反応した。


 これは──試してみるしかないだろう。



「あと、これも頼む」



 ゴルゴちゃんはメニュー表にあった、ドリンクの一つを指さすのだった。


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