ゴルゴちゃん13才、伝説のすた丼屋に行く。9


 豚汁のやさしいぬくもりが、ゴルゴちゃんの胃袋を満たす。


 物足りなさはゼロだった。


 ミニでちょうどよかったのだ。



「ありがとうございました!」



 ──会計を済ませ、ゴルゴちゃんはすた丼屋を後にする。


 結局、今回はすた丼を頼むことはなかった。


 次回の楽しみにとっておくことにしよう。



「…………」



 ガンケースをいつものように担ぎ、ゴルゴちゃんは帰路に就く。


 しかし──あのチャーハンはうますぎた。


 次にすた丼屋に足を運んだときにも、また頼んでしまいそうな魔力がある。


 だがそうなれば、さすがにミニサイズでも、一緒にすた丼を食べきることはゴルゴちゃんには無理そうだ。




 もしかしたら一生、すた丼を注文できないかもしれない──。


 そんな変な心配を今からする、ゴルゴちゃんだった。


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