ゴルゴちゃん13才、伝説のすた丼屋に行く。7


 その秘密を、ゴルゴちゃんはすぐ看破する。


 豚汁の具材には、なんとジャガイモが使われていたのだ。



「…………フ」



 しかもそれは煮崩れていて、味噌と一緒に溶けあっていた。


 これが自然な甘さを生んでいるのだろう。


 時折潜むシイタケも、甘さを引き締めるいい仕事をしていた。


 よくよく考えられてつくられた、豚汁なのだ。


 ──そもそも情報屋によれば、すた丼はかなり塩辛くつくられているという。



「そこに生卵を絡めて、一気に食べるものなんですよ」



 ニンニクの風味を強めで組み立てているからこそ、負けないように塩気を前に出しているのか。


 だとすればこの豚汁は、すた丼との相性を考慮しているのかもしれない。


 さて、問題はチャーハンとの組み合わせだが。



「…………!」



 割り箸からレンゲに切り替え、ゴルゴちゃんはチャーハンを口にした。


 ぱらっぱら。


 ぱらっぱらだ。


 なんという、完璧なチャーハンだろう──。


 細かく刻まれた焼き豚やネギの中で、卵がふうわり香るだけの、シンプルなものだ。


 しかし、余計なものは必要ない。


 ただひたすらに、油が回ってぱらぱらに炒められた、米のうまさを堪能できる。


 これがサイドメニューに押しやられているのが不思議なくらい、うますぎる一品だった。

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