ゴルゴちゃん13才、伝説のすた丼屋に行く。7
その秘密を、ゴルゴちゃんはすぐ看破する。
豚汁の具材には、なんとジャガイモが使われていたのだ。
「…………フ」
しかもそれは煮崩れていて、味噌と一緒に溶けあっていた。
これが自然な甘さを生んでいるのだろう。
時折潜むシイタケも、甘さを引き締めるいい仕事をしていた。
よくよく考えられてつくられた、豚汁なのだ。
──そもそも情報屋によれば、すた丼はかなり塩辛くつくられているという。
「そこに生卵を絡めて、一気に食べるものなんですよ」
ニンニクの風味を強めで組み立てているからこそ、負けないように塩気を前に出しているのか。
だとすればこの豚汁は、すた丼との相性を考慮しているのかもしれない。
さて、問題はチャーハンとの組み合わせだが。
「…………!」
割り箸からレンゲに切り替え、ゴルゴちゃんはチャーハンを口にした。
ぱらっぱら。
ぱらっぱらだ。
なんという、完璧なチャーハンだろう──。
細かく刻まれた焼き豚やネギの中で、卵がふうわり香るだけの、シンプルなものだ。
しかし、余計なものは必要ない。
ただひたすらに、油が回ってぱらぱらに炒められた、米のうまさを堪能できる。
これがサイドメニューに押しやられているのが不思議なくらい、うますぎる一品だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます