ゴルゴちゃん13才、伝説のすた丼屋に行く。4



 このときゴルゴちゃんは、ある情報を思い出していた。



「へへへ。俺くらいの通になると、すた丼屋では『チャーハン』を頼みますね。うまいんですよ、あれ!」



 それはよく使っている、情報屋の言葉だった。


 チャーハン? ──メニューに目を戻せば、確かに「すたみなカレー」の隣に、チャーハンの写真が載っていた。


 特に一押しの商品ではないようだが、あの情報屋のネタはいつも確かだ。信頼できる。


 だからゴルゴちゃんは、ボタンを押して女性店員を呼ぶと。



「……これを」



 メニューのチャーハンを指して、頼むのだった。



「はい、チャーハンですね。サイズは普通でよろしかったですか?」



 だが続いて、店員がそんなことを確認してくる。



「普通サイズでも、女性には多めとなっておりますが」



「…………?」



 そうか。ゴルゴちゃんは今になって気付く。


 確かにすた丼を始め、メニューに載っている写真はどれも、普通サイズでありながらけっこうな量がありそうだ。


 スタミナ系の店というのは、ボリュームの多さも売りにしているものなのだ。




『ボリュームUP OK!』




 そんな記述が堂々と書かれており、「肉増し」「飯増し」「肉飯増し」ができるらしい。


 さすがのゴルゴちゃんでも、そこまでの量は必要なかった。


 むしろ女子中学生がすた丼での普通サイズを頼むのも、悪目立ちするかもしれない。



「では……『ミニ』で」



 ゴルゴちゃんはチャーハンの横に書かれていた、ミニサイズに変更する。


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