ゴルゴちゃん13才、伝説のすた丼屋に行く。2


 ──ならば、ゴルゴちゃんの判断は早い。



「…………」



 周囲の目をちらりと気にしながらも、覚悟を決めて──ゴルゴちゃんはついに初めて、伝説のすた丼屋に入った。



「いらっしゃーい」



 さっそく店員が、お決まりの声をかけてくる。


 店内は木目調の壁やカウンターで統一された、渋さを感じさせる雰囲気になっていた。


 やはり女性客よりも、男性客をターゲットにしている様子だ。


 しかしアルバイトらしき店員には女子も混ざっていて、奥のテーブル席では、談笑する女性グループの姿もあった。


 これならゴルゴちゃん一人でも違和感はないだろう。



「空いてるお席へ、どうぞー」



 そして夕食時には少し早いこの時間、空席が目立った。


 だが、カウンターは男性の一人客でそれなりに詰まっている。


 やはりスタミナ系を好む男たちが、こぞって愛している店ということだ。



「…………」



 そこへゴルゴちゃんが入っていくのは、ちょっと目立つか。


 だから二人掛けの小さなテーブル席を選び、ゴルゴちゃんはそこでガンケースを降ろした。

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