ゴルゴちゃん13才、築地に行く。11



 喫茶店は軽食よりも、ドリンクがメインだ。


 だから一切手を抜かず作り込んでいるのだろう。


 いい仕事だ──。


 ゴルゴちゃんはさっそくストローを刺して、からからと氷をかき混ぜてから、飲んだ。



「~~~~~~~~~!!」



 しゅわしゅわという炭酸に混ざって、ガツンとくるフレッシュな酸味!


 濃い。ものすごく、濃い!


 はっきりとした果汁の旨味と、酸っぱさに負けない甘みも感じられた。


 そのように、シロップを加えてうまく調整してあるのだ。


 だから酸っぱいのに、ゴルゴちゃんでもどんどん飲めてしまう。


 それでもなかなかグラスの中身はなくならない。


 量もずいぶん多いのだ。


 文句なしの、プロの仕事ぶりだった。


 そして──そこに厨房の方から、ふわりと香ばしい匂いが漂ってくる。



「…………!」



 カレーだ。


 スパイスを炒めている、いい香りだ。


 間違いなく、ゴルゴちゃんの頼んだカレースパの仕上げに入ったのだ。


 ドリンクがこれだけのクオリティなのだ。


 フードも間違いないものが出てくるだろう。


 それはもう、匂いだけで確信できた。


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