ゴルゴちゃん13才、築地に行く。9


 ぺらぺらのメニュー表は二枚あった。


 フードメニューとドリンクメニューが一枚ずつ、といった潔さだ。


 また、店内にも大きなメニューが別に貼り出されていた。


 とりあえずゴルゴちゃんの空腹を満たすには、フードの中から選ぶより他にない。


 スパゲティーと、スープスパゲティー。それに「ごはんもの」として、何種類かのピラフとオムライスなどがあった。


 だがそのとき、ゴルゴちゃんはあることを思い出す。



「…………!」



 元長官から漂ってきた、スパイシーなカレーの香りだ。


 そしてメニューにはカレーライスがあり、さらに──!



「カレースパ……?」



「あら、おいしいわよ。うちのカレースパは」



 少し離れていたおかみさんが、ゴルゴちゃんの呟きを聞いて、笑顔で勧めた。


 どうやら自慢の一品らしい。



「……では、それを」



 ゴルゴちゃんは躊躇なく、カレースパをオーダーした。



「はい! カレースパ一つ~」



「はいよ」



 厨房からマスターが返事をした。


 しかし、これだけでゴルゴちゃんは終わらない。



「あと……レモンスカッシュもだ」



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