ゴルゴちゃん13才、築地に行く。3


 そのときには、ゴルゴちゃんはもう、素早く気配を嗅ぎ分けていた。



「全部で、四人か……」



「シット!」



 元長官は舌打ちした。


 それでも、それ以上の動揺は見せない。


 元であっても、かつてはCIAのトップを務めていた男なのだ。



「今回ノ件、詳細ハ、バレテイナイハズダガ」



「…………。お目付役、といったところだろうな」



 四人の気配から、ゴルゴちゃんはそこまで看破した。


 依頼内容がばれていたら、もっと大人数を用意するはずだ。


 それに四人は、どうやら経験の浅い者たちのようだった。


 もしかしたらCIA日本支部の、新人たちが研修がてら、あてがわれたのかもしれない。


 ──邪魔が入った場合、ゴルゴちゃんは即座に依頼を断ることにしている。


 それが、ゴルゴちゃんをはめるための罠の可能性があるからだ。


 しかし、この程度ならば。



「…………行くなら、ここがいいだろう」



 ゴルゴちゃんは旅行雑誌に掲載された、築地内の地図を見て、ある店を指し示した。


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