ゴルゴちゃん13才、築地に行く。2



「オ嬢サン。アナタ、オススメノ店、教エテクダサ~イ!」



 CIA──『中央情報局』。


 アメリカの、諜報活動を専門に扱う情報機関である。


 その特殊性故に、ときにはゴルゴちゃんに秘密の仕事の依頼をしてくることもある。


 もちろん、CIAが表立って関与してくるわけではない。


 だからこそ元長官という立場のこの老人が、あくまで個人的な依頼として、接触してきたのだ。


 ──電子機器の発達した今、足が付かない方法で、メールやSNSでのやり取りも可能となっている。


 しかし、ゴルゴちゃんは依頼を受けるとき、必ず直接会うようにしていた。


 それがプロフェッショナルとしてのルールだ。


 依頼人と会うことで、わかることも多いのだ。



「…………!」



 そしてゴルゴちゃんは、さっそくあることに気付いていた。



「コレ、ドコガイイデスカア?」



 元長官は旅行雑誌を開き、ゴルゴちゃんと一緒に覗き込むふうを装い、手はず通り依頼を切り出そうとする。


 だが、それをゴルゴちゃんが止めた。



「……つけられたな」



「!!」



 ゴルゴちゃんの呟きに、元長官が表情をわずかに強ばらせた。


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