ゴルゴちゃん13才、冬のマクドナルドに行く。7



 がさがさ、がさり。


 ゴルゴちゃんは、オレンジ色の包みを開いて、ついにグラコロと対面する。



「…………」



 ほう、と思わず溜息が漏れた。


 グラコロは、美しかった。


 専用に焼かれたバンズが、丸いフォルムを保っていたのだ。


 さすがはできたてだ。ポスターの写真そっくりである。


 これが、持ち帰りとなるとこうはいかない。


 特にグラコロ用のバンズは湿気に弱く、包み紙の中で蒸れて、ふにゃふにゃになるのだ。


 だからこそグラコロは、店内で食べるに限る。


 もちろんすぐに食べるのが一番うまい──。


 はむっ。


 ゴルゴちゃんはさっそく、一口かぶりついた。


 瞬間──ぎょっと面食らう。



「…………!?」



 ふわっ、と鼻腔をくすぐったのは、芳醇なバターの香りだった。


 グラタンコロッケに到達する前に、なんの変哲もないはずのバンズが、先制攻撃を仕掛けてきたのだ。



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