ゴルゴちゃん13才、冬のマクドナルドに行く。5



「……これを、セットで」



 ゴルゴちゃんはガンケースを降ろし、痺れのない左手で、カウンターに置かれたメニューの「超グラコロ」を指した。


 隣にはチーズを挟んだ「超デミチーズグラコロ」もあったが、あえてのチョイスだ。


 確かに、グラコロにチーズは魅惑のトッピングだ。


 しかしゴルゴちゃん的には「デミ」の部分が問題だった。


 デミグラスソースがかかっているのだが、その味が強くて、ともすればグラタンコロッケの風味を損なうのである。


 それは絶対に避けなければならない。


 クリーミーなグラタンコロッケこそが、グラコロの肝なのだから。



「はい、超グラコロのセットですね? お飲み物は?」



「ミルクだ」



 続いて簡潔に、ゴルゴちゃんはドリンクを選択する。


 同世代の女子の中では背の高いゴルゴちゃんだが、胸の方が少し控えめなのを気にして──というわけではない。


 グラコロには牛乳が合う。


 間違いないのだ。


 しかしこの組み合わせは、少しさっぱりしすぎかもしれない──。


 そう思ったとき、ゴルゴちゃんはメニューのある表記を見つけていた。




『+¥50でポテトLサイズに』




 これだ!


 ゴルゴちゃんは迷うことなく、指で示した。



「ポテトはLだ」



「はい、確認します。超グラコロのセット、ポテトLに変更と……ドリンクはミルクですね。では、そちらでお待ちください」

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