ゴルゴちゃん13才、冬のマクドナルドに行く。4



 一抹の不安を抱きながらも、ゴルゴちゃんはマクドナルドの中に入った。


 この店舗は、よくあるポップな内装ではなく、少し落ち着いた色調で統一されていた。


 おそらくビジネス街の中にあるため、子供連れの利用者が少ないせいだろう。



「…………」



 こんなときにもゴルゴちゃんは、店内の観察を忘れない。


 今ここで襲撃を受けたら大変だからだ。


 もちろん少しくらいの指の痺れで、やられるようなゴルゴちゃんではないのだけれど。


 それでも常に完璧を期すのが、プロフェッショナルというものなのだ。


 どうやら時間帯が良かったらしい。


 今は午後四時を過ぎたところだ。


 休憩に立ち寄ったビジネスマンの姿も少なく、他に制服姿の学生たちがちらほらいるだけだ。


 レジカウンターの前にも列はない。


 これならゴルゴちゃんの後ろに、誰かがすぐ並ぶということもないだろう。



「いらっしゃいませ~。こちらでお召し上がりですか?」



 レジ前に立てば、若い女性店員が訊ねてくる。


 ゴルゴちゃんはこくりと深く頷いた。


 近くのアジトへ持ち帰った方が、安心して食べられるけれど──グラコロは別だ。


 できたてでなければならないのだ。


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