ゴルゴちゃん13才、冬のマクドナルドに行く。3


 赤い看板に、黄色のMのマークが見えた。



「…………」



 そしてゴルゴちゃんは、ほっとする。


 一目で「あれ」があることがわかったからだ。


 入り口横にはでかでかと、期間限定のバーガーのポスターが貼られていた。




『超グラコロ』




 グラコロ──いわゆる「グラタンコロッケバーガー」である。


 これがゴルゴちゃんの目当てだった。


 何年か前に手の震えが起きたとき、たまたまこれを食べたところ、嘘のように鎮まったのだ。


 理由はまったくわからない。


 もしかしたら、単なる偶然なのかもしれない。


 それでも確かに効くのだから、食べないわけにはいかないのだ。


 ──それにしても、今年は頭に「超」がついている。




『リッチなソースとふんわりバンズで進化した』




 よく見ればポスターには、そんな説明文が書かれていた。



「…………!?」



 ゴルゴちゃんはわずかに動揺する。


 どうやら味がリニューアルされたらしい。


 はたしてそれで、いつものように手の震えが収まるだろうか?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る