ゴルゴちゃん13才、冬のマクドナルドに行く。2



 突然の手の震えは、寒さによるものではない。


 以前にも、何度か経験していることだ。


 これは、なぜかこの時期になるとゴルゴちゃんの体を蝕む、謎の「痺れ」だった。



「…………」



 いつもの無表情ながらも、ゴルゴちゃんは焦っていた。


 また、この症状が出るなんて!


 原因はわからない。


 闇医者に診せたところ、「過酷な状況下による精神的な症状」ということらしいが。


 だが利き手が使えなくなるのは、ゴルゴちゃんにとって死活問題だった。


 慌てて左手でガンケースを担ぎ、右手をコートのポケットに隠す。


 こんな状態がばれたら、ゴルゴちゃんを倒して名を上げようとする者が、後を絶たなくなるだろう。


 ──だからこそゴルゴちゃんもこれまでに、いろんな治療方法を試してみた。


 しばらくの間依頼を受けず、痺れが消えるまで、海外の別荘で休養を取ることもあった。


 苦い漢方薬にも手を出したことがある。


 だが最終的に、もっとも効果があったものは──。



「…………!」



 今年もはたして、この時期に出ているだろうか?


 都会の片隅で立ち止まっていたゴルゴちゃんは、急いで歩き出していた。


 目指すは近くにある、有名ハンバーガーチェーンの『マクドナルド』だ。


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