ゴルゴちゃん13才、サークルKに行く。3


「いらっしゃいませー」


 自動ドアのチャイムが鳴り、ゴルゴちゃんに気付いた店員が、レジの向こうから声をかけてきた。


 店外から見たとおり、他の客は一組だけだ。


 若い男女のカップルである。


 男がカゴを手に、缶ビールを物色しているところだった。


 他にもアテにいろいろ買い込むつもりなのだろう、とゴルゴちゃんは鋭く見抜く。


 ならば、レジに向かうなら今のうちだ。


 その前に、レジ横をちらりと確認する。大事なことだ。


 ──そこにはたして「あれ」はあるのか?



「…………!」



 あった!!


 サークルK・サンクスならではの、黒い石が敷き詰められた、特別な保温ケースが鎮座している。


 その上でじっくりと熱されていたのは、一つだけ残っていた、この季節限定の商品だ。




『焼き芋(紅はるか)』




 ガラス製の保温ケースの下には、そんな文字がでかでかと張り出されていた。


 これだ。


 コンビニなのに、石焼き芋が手軽に買えてしまうのだ!


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