ゴルゴちゃん13才、サークルKに行く。2


 このサークルKは、ゴルゴちゃんにとってなかなかいい感じだった。


 なにせ、表通りから離れているおかげで、人通りがほとんどない。


 時間帯によって違うのだろうが、大事なのは今、店内にいる客が少ないということだ。


 ──どうにもゴルゴちゃんは、職業柄、誰かに背後を取られるのが苦手なのだ。


 特に、コンビニのレジ前は鬼門だった。


 客が多ければ、必ず後ろに誰かが並ぶことになる──。


 それだけは嫌なのだ。


 ともすれば、反射的にガンケースでぶん殴りそうになる。


 だからゴルゴちゃんは普段、あまりコンビニを利用しないのだが、冬のサークルKだけは別だった。


 もしくは同系列の『サンクス』でもアリだ。


 なにせ「あれ」を置いているのは、この二店舗のみに限られているのだから。



「…………」



 ただしゴルゴちゃんは、少し嫌なネタを思い出す。


 確か情報屋によると、サークルK・サンクスは『ファミリーマート』と合併したのだ。


 まだ看板は、こうして書き換えられていないが、その影響で「あれ」はなくなっていないだろうか?


 逸る気持ちを抑え、ゴルゴちゃんは店内に入るのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る