ゴルゴちゃん13才、サークルKに行く。1


 ゴルゴちゃんの秘密の仕事が、早く片付くときもある。


 ──時間は夜の10時を少し回ったところだ。


 セーラー服にコートを羽織った女子中学生が、夜の街をうろついても「塾帰り」だと思ってもらえる、ぎりぎりの時間帯だった。


 ゴルゴちゃんは大きなガンケースを持っているので、「なにかの部活帰り」の方かもしれないが。



「…………」



 季節はもう、すっかり冬だ。


 小腹が空いたというところだが、そこにどうにも寒さが染みた。


 温かいものを体が欲する。


 となれば──。



「…………!」



 ゴルゴちゃんははたと、ある食べ物を思いついた。


 それは毎年、この時期になるとどうしても食べたくなるもの。


 しかし、そう簡単には手に入れられない代物──なのだが。


 唯一、手軽に提供している場所があった。そこへと思わず足が向く。


 やがて入り組んだ路地の奥で、赤い丸に囲まれた「K」の看板を発見する。


 あった!


 コンビニエンスストアの一つである、『サークルK』が!


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