ゴルゴちゃん13才、コメダ珈琲店に行く。11



「~~~~~~~~!」



 たまらない、このこってり感!


 コーヒーとトーストだけでは、ともすればあっさりしすぎていたところに、たまごペーストの弾丸が効く。


 もともとこのたまごペーストは、ゆで玉子を潰して少し味を付けただけのシンプルなものだ。


 だが甘いジャムと出会えば、バターと合わせたときよりも、不思議な強いコクを生む。


 それでいて、そこに金のアイスコーヒーを流し込めば──。



「…………フ」



 コーヒーの苦みが、すべてをさっぱりと洗い流した。


 悪くない、とゴルゴちゃんはわずかに目を細める。


 いつしかゴルゴちゃんは、金のアイスコーヒーの苦みを受け入れていた。


 13才のゴルゴちゃんには少し早かっただけなのだ。


 これこそ大人の味だった。



「…………」



 トーストとたまごペーストを片付けると、金のアイスコーヒーが少し残った。


 それを最後に飲み干せば、やはり苦みが舌を貫通する。


 ──やはり次からは、コメダ珈琲店では普通のアイスコーヒーかブレンドにしよう。


 あれもまた、プロの仕事だ。


 そう思うゴルゴちゃんだった。

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