ゴルゴちゃん13才、コメダ珈琲店に行く。10


 どうやらこの金のアイスコーヒーの真価は、なにかと合わせたときに発揮されるのかもしれない。


 ジャムだけでなく、小麦の味がしっかりとするこのトーストも、コーヒーの風味をより豊かに感じさせた。


 むしろコーヒーがすっきりしているぶん、トースト自体もいつもより甘く感じられる──。


 ざくっ。


 もちっ。


 ふわっ。


 食感もまた、いい。ゴルゴちゃんはこのトーストが好きだった。


 レジ横で販売されているため、普通に買って帰ることもできる。


 ただ、ゴルゴちゃんはあえて買わない。


 他者より目立つことをしないのがゴルゴちゃんなのだ。



「…………」



 だからトーストの味をじっくりと噛み締めて堪能する。


 そういえば、せっかくのたまごペーストがまだ手つかずだった。


 ゴルゴちゃんはトーストを千切ると、そこにたまごペーストをごっそりと塗りたくり、口の中に放り込んだ。


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