ゴルゴちゃん13才、コメダ珈琲店に行く。5



 ドリンクのメニュー表は、テーブルの端に片付けられていた。


 モーニングを食べに来る客はいちいち見ないのかもしれない。


 濃いめが好きならブレンドで、軽めが好みならアメリカンを頼めばいい。


 ちなみにゴルゴちゃんの好みは、風味豊かなブレンドだ。


 だがそう決めようとしたとき、ゴルゴちゃんの視界にあるものが飛び込んで来た。




『金のアイスコーヒー』




「…………!」



 金? その特別なフレーズが、ゴルゴちゃんの乙女心を鷲掴む。


 もともとコメダ珈琲店のアイスコーヒーも、なかなかにゴルゴちゃんの好みの味だった。


 あえて最初から加糖されていて、絶妙にコーヒーのコクを引き立てているのだ。


 ときどきゴルゴちゃんは、銀色のジョッキに入った増量版の『たっぷりアイスコーヒー』を頼むほどである。


 ならば、なにを迷う必要があるだろうか?


 ゴルゴちゃんは金のアイスコーヒーの広告が入った、小さなアクリルスタンドを示すのだった。


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