第二章 Kou

 Ayaは、友人を持たないが、唯一Ayaと接触する青年がいる。


 彼の名は、河合光カワイ コウ。コードネームは、Kou。


 Ayaとはあらゆる時を共に過ごして来た。


 Ayaは、ある時は、香港を占めていたリー家の盲目の令嬢リンの右腕として、姉の様に労った。


 又、ある時は、シドニーの世界的名バイオリニストの持つ秘蔵のコレクションの管理人として、完璧に守り抜いた。


 そして、ある時は、某国大統領婦人の影となり、殺されても死なないファーストレディーを演じた。


 又、ある時は、ひょんな縁で、Kouから得たルートで、双子の雄の三毛猫の主人をしていた。このToiトワMoiモワは、随分と一緒に過ごした。


 Kouは、その時々に、主に情報屋としてサポートをして来たのだ。


 AyaとKouは、離れようとも離れられない、不思議な力を感じざるを得ないのであった。


 Ayaは、Kouと同衾した事はない。それは意外ではなかった。


 魂の奥深くに眠っている、真の繋がり、死さえ別かつことならぬモノによるからである。

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